2025年に日本公開された映画『アンジェントルメン』を観た。
海外では2024年に公開された作品で、第二次世界大戦中に実際に行われた極秘作戦をベースにしたスパイアクション。
一応、第二次世界大戦が舞台の戦争映画。
なんだけど、全然堅苦しくない。
雰囲気としては『イングロリアス・バスターズ』あたりが近い気がする。
ナチスを相手に、
撃つ。
爆破する。
潜入する。
盗む。
正規軍なら怒られそうなことを、だいたいやる。
しかも登場人物の多くが実在の人物をモデルにしていて、後の『007』にもつながるイアン・フレミングまで登場する。
実話なのに、めちゃくちゃ映画っぽい。
そして俺はこの映画を観ている間、アラン・リッチソンがずっと芳賀セブンに見えていた。

(画像はマイプロテイン 芳賀セブンおすすめ商品から)
もう途中から芳賀セブンである。
結果、かなり面白かった。
今回は映画の感想と、「これ、どこまで本当にあった話なんだ?」
という部分まで調べてみた。
映画『アンジェントルメン』とは
『アンジェントルメン』は、ガイ・リッチー監督によるスパイアクション映画。
舞台は第二次世界大戦中。
ナチス・ドイツの攻勢によって追い詰められていたイギリスで、ガス少佐は極秘任務を命じられる。
その内容は、英国軍にもナチスにも見つからず、北大西洋上のUボートを無力化すること。
普通の軍隊として堂々と戦うわけにはいかない。
そこでガスが集めたのが、どう見ても普通の軍人ではない連中。
射撃。
爆破。
潜入。
ナイフ。
弓。
とにかく各分野に強い“イカれた”メンバーを集め、非公式の作戦を進めていく。
監督は『スナッチ』『シャーロック・ホームズ』『ジェントルメン』などのガイ・リッチー。
主演は『マン・オブ・スティール』のヘンリー・カヴィル。
さらに、
- エイザ・ゴンザレス
- アラン・リッチソン
- アレックス・ペティファー
- ヘンリー・ゴールディング
- ケイリー・エルウィズ
など、やたら豪華。
そしてやたら男がデカい。
ネタバレなし感想|戦争映画なのに、とにかく軽くて見やすい
実話をもとにした戦争映画と聞くと、「ちょっと重そうだな」と思うじゃないですか。
『アンジェントルメン』は真逆。
ポップ。
痛快。
テンポがいい。
ナチスの基地へ殴り込んで、銃を撃って、爆破して、筋肉でなんとかする。
戦争映画というより、特殊部隊のチームものを観ている感覚に近い。
ガイ・リッチーって、『スナッチ』や『ジェントルメン』でもそうだけど、
男臭い。
ちょっと悪い。
でも妙にカッコいい。
みたいな連中を撮るのがやっぱり上手い。
俺の中ではクエンティン・タランティーノと少し近いところにいる監督。
もちろん映画の作り方は全然違うんだけど、賞を獲るためというより、まず面白い映画を作ってる感じ。
『アンジェントルメン』もそんな映画だった。
ものすごく深い戦争映画を期待すると違う。
でも、
「今日は2時間くらいスカッとする映画が観たい」
ならかなりちょうどいい。
アラン・リッチソンが強すぎる。というか芳賀セブン
個人的にずっと気になっていたのが、アラン・リッチソン演じるアンダース・ラッセン。
デカい。
強い。
弓を使う。
ナイフを使う。
敵を見つけたらだいたい殺す。
怖い。
ヘンリー・カヴィルも相当デカいはずなのに、その横にいて全然負けてない。
そして顔を見るたび、芳賀セブンが頭をよぎる。
これを書いている今も、写真を見たらやっぱり芳賀セブンだった。
ちなみにラッセンも実在した人物がモデル。
こんな漫画みたいな連中が実在していたという部分も、この映画の面白いところだと思う。
『アンジェントルメン』はこんな人におすすめ
007シリーズが好き。
『キングスマン』みたいなスパイアクションが好き。
『イングロリアス・バスターズ』みたいな、戦争を題材にしながらエンタメに振り切った映画が好き。
ガイ・リッチー作品が好き。
カッコいい男たちが暴れているところを観たい。
そして、
ちょっと通ぶれる実話映画が観たい。
そんな人にはかなり向いている。
難しい歴史知識がなくても普通に観られるし、観終わったあとに実話を調べるともう一回面白い。
俺もこの映画を観るまで、ガス・マーチ=フィリップスなんて人を知らなかった。
日本語で調べても情報がそんなに多くない。
本当に有名な人なのか。
と思った。
そこから007までつながっていくんだから面白い。
ここから『アンジェントルメン』の実話・元ネタに触れます
まだ映画を観ていない人は、ここで一度止めた方がいい。
ここから先は、映画の元になった実際の作戦や人物、007との関係などについて触れていく。
配信状況(2026年9月確認)
U-NEXT:○ 見放題
Hulu:○ 配信中
Prime Video:○ レンタル・購入
現在『アンジェントルメン』は、U-NEXTとHuluで配信中。
見放題で観るならU-NEXTかHulu。
「これ以上サブスクを増やしたくない」という人なら、Prime Videoで作品単体をレンタル・購入する方法もある。
現在の配信状況は各動画配信サービスでご確認ください。
※配信状況は変更される場合があります。
ここから実話・モデルになった人物について
『アンジェントルメン』の面白いところは、
「こんな話、本当にあったの?」と思うような内容に、ちゃんと元ネタがあること。
もちろん映画なのでかなり脚色されている。
でも、ガスもラッセンもイアン・フレミングも実在した。
そして映画の大きな元ネタになった「ポストマスター作戦」も実際に行われている。
『アンジェントルメン』の元ネタ「ポストマスター作戦」
映画のモデルになったのが、第二次世界大戦中に行われた「オペレーション・ポストマスター」。
当時スペイン領だったフェルナンド・ポー島で、枢軸国側の船を奪取するという極秘作戦だった。
中立国の領域で勝手に作戦をやる。
当然、「イギリス軍です。来ました」なんて堂々とできるわけがない。
失敗して国の関与がバレれば外交問題になりかねない。
だから非公式にやる。
映画タイトルの、
『The Ministry of Ungentlemanly Warfare』
“非紳士的な戦争省”
という言葉が似合う作戦である。
映画ではかなり派手な銃撃戦や爆破が追加されているけど、少人数による秘密作戦そのものは実在した。
むしろ現実でこれをやっていた方が怖い。
「非紳士的戦争省」は本当に存在したのか
ここは少しややこしい。
映画では特殊作戦執行部、
SOE(Special Operations Executive)
が大きく扱われている。
第二次世界大戦中、敵地での破壊工作やレジスタンス支援などを行った実在の組織。
ただし、「非紳士的戦争省」という正式名称の省庁がそのまま存在したわけではない。
また映画のメンバーたちも、単純に全員が「SOEの部隊」だったとまとめると少し雑。
ガス・マーチ=フィリップスが率いた部隊は、後にSmall Scale Raiding Force(SSRF/小規模襲撃部隊)と呼ばれ、No.62 Commandoとしても知られている。
SOEとも深く関係しながら、少人数で秘密襲撃を行っていた部隊だ。
つまり映画は、
SOE。
ポストマスター作戦。
実在した工作員。
そういった複数の史実を、ガイ・リッチー流の一本のアクション映画にまとめている。
実話ではあるけど、ドキュメンタリーではない。
ここは結構大事。
ガス・マーチ=フィリップスとは何者なのか
ヘンリー・カヴィル演じる主人公ガス。
正式には、ガスタヴァス・ヘンリー・マーチ=フィリップス。
実在したイギリス軍人で、少人数による特殊作戦を率いていた人物。
映画だけの、「型破りで命令を聞かない、カッコいい特殊部隊隊長」
という架空キャラではない。
ポストマスター作戦にも参加している。
その後も特殊作戦に携わり、1942年9月、フランス沿岸で行われた作戦中に34歳で戦死した。
映画を観ていると、「またヘンリー・カヴィル用のイケメン最強キャラを作ったのか」くらいに思う。
ところが元ネタを調べると、現実側もだいぶ映画みたいな人生を送っている。
そりゃ映画化するわ。
本当に007ジェームズ・ボンドのモデルなのか?
映画公式はガス・マーチ=フィリップスについて、
「007ジェームズ・ボンドのモデルとなった実在の人物」
と紹介している。
しかも映画には、後に『007』シリーズを書くことになるイアン・フレミング本人まで登場する。
ここだけ聞くと、「ガス=ジェームズ・ボンド」と思う。
ただ、この話は少し注意が必要。
ジェームズ・ボンドは一般的に、特定の一人だけをそのままモデルにしたキャラクターではないとされている。
つまり、フレミングが戦争中に出会った軍人や諜報関係者など、複数の人物から影響を受けたと考えられている。
さらに、ガスたちSSRFを扱った資料でも、
フレミングが彼らをボンドの直接のモデルにしたと断定できる証拠まではないとされている。
なので、「ガスこそジェームズ・ボンド本人のモデルだ!」まで言ってしまうと少し強い。
ただ、フレミングがポストマスター作戦に関わっていたこと。
ガスたちのような型破りな特殊作戦要員が実際に存在したこと。
そういう戦時中の経験が、後の007につながっていったと考えるとかなり面白い。
映画を観たあとだと余計に。
そしてMI6の前身……という説明にも少し注意
映画公式ではSOEについて、「MI6の前身とも言われる」と紹介されている。
ただ、調べ直すと少し違う。
現在MI6として知られるSIS(Secret Intelligence Service)は、SOEが設立されるより前から存在している。
つまり、SOEが後からMI6になったわけではない。
SOEは第二次世界大戦中の1940年に設置され、戦後1946年に解散。
その機能や人員の一部がSISなどへ引き継がれた。
だから、「現在の英国特殊工作・諜報活動につながる組織の一つ」くらいに考えるのが分かりやすいと思う。
映画を観るぶんには昔のMI6みたいなヤバい組織くらいの理解でも別に困らない。
でも記事に書くなら一応分けておきたい。
史実を知ると『アンジェントルメン』はもう一回面白い
俺は映画を観るまで、
ガス・マーチ=フィリップスも、
ポストマスター作戦も、
Small Scale Raiding Forceも知らなかった。
『007』のイアン・フレミングが戦時中に情報関係の仕事をしていたことはなんとなく知っていたけど、ここまで実際の特殊作戦につながっているとは思っていなかった。
こういう、映画を観たあとWikipediaを開きたくなる映画って結構好きなんですよね。
現実の作戦が、あのテンションで進んだわけではない。
でも、「全部架空の話だと思ったら、元になった連中が普通に実在していた」というだけで十分面白い。
『アンジェントルメン』感想まとめ|観ておいて損はなし
ものすごく重厚な戦争映画ではない。
人生を変えるほど深い映画かと言われると、そこまでではない。
でも、
観ておいて損はなし。
俺も普通に面白かったし、映画を観たことで知らなかった第二次世界大戦の作戦まで調べることになった。
勉強にもなった。
そして最後まで、アラン・リッチソンは芳賀セブンだった。
現在はU-NEXTとHuluで配信されており、Prime Videoではレンタル・購入でも視聴できる。
見放題で観るならU-NEXTかHulu。
サブスクを増やしたくない人はこちら。
※配信状況は2026年9月時点の情報です。最新の配信状況は各サービスで確認してください。