※この記事は、SNS・求人関連の会社へ転職する直前に書いた当時の気持ちをもとにリライトしています。
現在とは仕事に対する考え方が少し変わっている部分もありますが、当時考えていたことはなるべくそのまま残しています。
私は関西で8年ほど、美容師として正社員で働いていた。
美容室を退職したのは、美容師という仕事が嫌いだったわけではない。
むしろ今でも続けているくらいなので、たぶん好きなんだと思う。
ただ、20代後半になったあたりから、
「このままずっと美容師一本で生きていくんだろうか」
と考えることが増えていった。
28歳くらいまでの年収は220〜240万円ほど。
もちろん美容師でも稼いでいる人はいくらでもいるし、これは業界だけではなく自分自身の問題でもある。
それでも、30歳が近づいてくると「このまま同じ働き方を続けていていいのかな」と考えるようになった。
そんな私が30代になって、今度はSNSのショート動画を使った集客や求人の仕事へ未経験で転職することになった。
ショート動画の仕事なんてほぼしたことがない。
それでも、「一回やってみるだけやってみよう」と思った。
今回は、なぜ美容師しかしてこなかった自分が、30代になってSNSの仕事に飛び込もうと思ったのかを書いておきたい。
福岡への移住をきっかけに、美容師一本の働き方をやめた
私は長く関西で美容師をしていたが、その後福岡へ移住することになった。
美容師という仕事は、場所を変えることの影響がかなり大きい。
それまで何年も通ってくれていた指名のお客様がいても、数百キロ離れた福岡まで髪を切りに来てもらうわけにはいかない。
つまり、福岡に移住した時点でこれまで作ってきた顧客基盤はほぼリセットされる。
だったらこれを機会に、別の仕事もやってみようと思った。
美容師を完全に辞めるのではなく、フリーランスとして続けながら会社員として別の仕事をする。
今までなら「美容師を続けるか、辞めるか」の二択で考えていたけど、別にどちらか一方だけを選ぶ必要もないのではないかと思うようになった。
実際、美容師をフリーランスとして働くようになった話については別の記事でも書いている。
28歳で初めて、美容師とは全く違う仕事に転職した
28歳の頃、初めて美容師とは全く違う業種へ未経験で転職した。
それまで約8年間ずっと美容師だったので、当然ながら美容業界以外で働いた経験なんてほとんどない。
最初は、「美容師しかやってこなかった人間が普通の会社で働けるのか?」という不安もあった。
でも、実際にやってみると案外どうにかなった。
分からないことは当然たくさんあったけど、社会人として働くこと自体が全くできないわけではない。
美容師としてやってきた接客やコミュニケーションも、別の仕事で全く無意味になるわけではなかった。
何より大きかったのは、「美容師以外の仕事でも意外と生きていけるんだな」と知れたことだった。
一度異業種へ出たことで、「仕事を変える」ということに対する怖さはかなり小さくなったと思う。
そして30代でもう一度、未経験の仕事へ行くことにした
その会社で2年ほど働いたあと、もう一度転職することにした。
次に内定をもらったのは、InstagramやTikTokなどのショート動画を使って、企業の集客や求人をサポートする会社。
採用に悩んでいる企業などに、
「どんな人を採用したいのか」
「どんな会社として見せたいのか」
などをヒアリングして、動画を撮影したりSNSで発信したりする仕事らしい。
最初はショート動画のカメラマン業務から始めるとのことだった。
正直、仕事としてショート動画に関わった経験はほぼゼロ。
30代にもなって、また未経験である。
ただ仕事内容を聞いた時、
「あれ?これって美容師時代にやってきたことと意外と近いんじゃないか?」
と思った。
それが応募した大きな理由だった。
美容師としてやってきたことは、意外とSNSの仕事につながっているはず
美容師は髪を切るだけの仕事ではない。
お客様がどうなりたいのかを聞く。
その人に合いそうなものを提案する。
スタイル写真を撮る。
Instagramなどに載せる。
自分や店をどう見せれば人が来てくれるのか考える。
指名のお客様を増やすために発信する。
振り返ってみると、SNSを仕事にしたことはなくても、その周辺にあることは美容師として普通にやってきていた。
もちろん、それだけでSNSマーケティングの仕事ができるとは思っていない。
未経験は未経験だ。
でも、「今までの8年間が全部ゼロになるわけではない」と思えた。
全く違う業種へ行くように見えて、これまでやってきたことの一部は新しい仕事でも使えるかもしれない。
そう考えると、少し面白くなってきた。
将来また美容室をやるなら、SNSのスキルは無駄にならないという考え
もう一つ、この仕事に興味を持った理由がある。
私は将来的に、また美容室をやる可能性がある。
その時に必要なのは美容技術だけではない。
お客様をどうやって集めるのか。
スタッフをどうやって採用するのか。
店をどう見せるのか。
今の時代、SNSはかなり重要になると思う。
だったら企業の集客や求人について、仕事として学べる経験は将来の自分にも使える。
つまり、自分の感覚としては、美容師を辞めて別のキャリアへ行くというより、美容師として生きるための武器を、別の仕事で増やしに行く。
という方が近かった。
最初から高収入を狙った転職ではなかった
今回の転職では、最初から大幅な年収アップを狙っていたわけではない。
この転職を考えていた当時の退職・失業手当についてはこちら↓
月給25〜30万円くらいあれば生活できるし、美容師も続けられる。
元々そんなに裕福な生活をしてきた人間でもない。
それよりも、「この会社に入ったら何を覚えられるのか」の方に価値を感じていた。
動画を撮る。
編集する。
SNSを運用する。
集客について考える。
求人について考える。
これらを給料をもらいながら経験できるなら、将来への投資としては悪くない。
今までの美容師経験をそのまま活かせる転職先を探すと営業職なども候補に出てきたが、自分が今欲しいと思っていたスキルとは少し違った。
だったら30代になった今でも、もう一度新しいことを覚えてみたいと思った。
「本業と副業」ではなく、ダブルメインキャリアでもいい
美容師は今後も続けるつもりだった。
だからSNSの会社へ行ったからといって、美容師を辞めるつもりはない。
会社員をしながら美容師もする。
美容師として身につけたことを会社で使う。
会社で身につけたことを、いずれ美容師や自分の店で使う。
どちらが本業で、どちらが副業なのかは正直よく分からない。
個人的には、「ダブルメインキャリア」くらいの感覚でいいんじゃないかと思っている。
一つの職業だけで人生を作らなくてもいい。
昔はそんな発想をあまり持っていなかった。
30代未経験。それでも一回やってみることにした
当然、不安はある。
ショート動画についてほとんど経験がない。
30代から新しいスキルがちゃんと身につくのかも分からない。
SNSという変化の激しい世界で、自分がどこまでやれるのかも分からない。
でも、未経験の仕事へ行くなら何歳だろうと不安はあると思う。
28歳で初めて美容師以外の仕事をした時もそうだった。
それでも一度やってみたことで、「美容師しかできない」と思っていた自分の考えは変わった。
合わなかったら、その時また考えればいい。
美容師という技術も残っている。
何かを勉強しながら給料までいただけるなら、新しいことに飛び込むには今が最後のタイミングかもしれないと思った。
美容師を辞めるか、続けるかの二択じゃなくてもいい
20代後半くらいになると、「この仕事を一生続けるのか」と考える人は結構いると思う。
特に美容師のような技術職を長くやっていると、「今さら別の仕事なんてできない」と思いやすい。
私もそうだった。
でも、一度別の業界へ出てみると、意外とそれまでの経験はなくならない。
美容師を8年やった事実も、技術も消えない。
そして別の仕事で覚えたことを、美容師へ持って帰ることだってできる。
だから、美容師を続けるか、辞めるか。
必ずしもその二択で考えなくてもいいと思った。
私はとりあえず、30代からSNSという新しい仕事に飛び込んでみることにした。
この選択が正解なのかは、今のところ分からない。
数年後、「あの時やっておいてよかった」と思うかもしれないし、「やっぱり美容師の方がよかった」と言っているかもしれない。
美容師しかできない自分から、美容師もできる自分になれれば、それで十分なんじゃないか。
当時はそんなことを考えていた。

