「でかけりゃおしゃれ」はもう抜けた。オーバーサイズも終わって“ちょうどいい”服の時代へ

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zenzen

1994年北海道出身の30歳。現在は福岡に住んでいます。
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最近、アパレルの店員さんがそんなに大きめのサイズをすすめてこない気がする。
一時期はオーバーサイズは結構おしゃれなイメージだったんだけど最近は以前よりそんなにオーバーサイズで服を着ている人もみなくなったような。

この記事では、でかい服が流行った背景から、その終わりの気配、そして今“ちょうどいいサイズ”が見直されてる理由まで、書き留めていこうと思う。

かつては細身こそおしゃれだった時代があった

ここ数年、「なんか服が全部でかい」って感じがあると思う。
Tシャツも、シャツも、アウターも、ズドーンと大きめ。パンツも太くて、靴にかかるくらい長かったり。“オーバーサイズ”っていうんだけど、これがもう、最近はどの店行っても当たり前になっている。

ただ思い返せばちょっと前までは、ぜんぜん違う

2010年代の前半は、ピタッとした服が超人気で、モッズコートに黒スキニー、短めのライダースジャケット、細身のシャツ。いわゆる「UK(イギリス)っぽいファッション」が流行ってて、線の細い男子が街に溢れていたと思う。

ドクターマーチンのブーツ、マッシュヘアみたいな。ヤンキーもスキニーでピタっとスタイルが定着したのはこっから。
当時のピタッとしてる=こなれてる って感覚。背景には、アークティック・モンキーズとかThe 1975みたいなUKロックバンドの影響もあったみたいだけど個人的にはワンダイレクションみたいなスタイルとか、3代目J soul brothersとかがどっちも違うテイストのピタッとしたスタイルでこれが世間で定着したイメージ。

2018年からは本格的なオーバーサイズブーム

でも2018年ごろから、ファッションがガラッと変わる。

2015年くらいからハイブランドのバレンシアガ(Balenciaga)に
デムナ(Demna Gvasalia)がクリエイティブ・ディレクターに就任したのをきっかけに本格的にオーバーサイズ・シルエットを提唱してからゆっくりとおしゃれな人からビッグシルエットに変わっていったイメージなんだけど、ファストファッションなどで買えるようになったのが2018年くらい。

それまではおしゃれな人が来てるオーバーサイズの服ってブランド物のやつだよね?どこで買ったの?って感じ

当時はBershkaとかが早めにビックサイズを安く買えた気がする。(ちなみにBershkaは2022年7月18日に日本での実店舗をすべて閉店し、ECのみでの販売となっている)


オーバーサイズTシャツ、バルーンパンツ、ロング丈アウター。とにかく「サイズで遊ぶ」のがカッコいいとされるように。

このブームを支えたのは、SNS世代の価値観がでかいと思う。自分の体型を隠すことが、安心感になったり、自分らしさの表現になったり。K-POPアイドルのファッション、特にZ世代の間では、“性別や体型に縛られないファッション”が求められるようになったのです。

正直、オーバーサイズが流行り出した時はこの「ユニセックス」な感じが結構あって思い返せば
人民共和国みたいな服装が多かった。

オーバーサイズが“飽きられてきた”理由

でも、流行が続くと、だんだん「みんな同じ」に見えてくる。
「なんか飽きたな」「体のライン消えすぎて逆にダサく見えるかも」って思う人が出てくるし

そもそもビックサイズじゃない服が似合う人もぜんぜんいる。

しかも“自分に似合ってるか”よりも“流行ってるかどうか”で選んじゃってた。
それが逆に、“違和感”として感じられるようになってきた。

それでも一時期に比べてこの「ビックシルエット」は徐々に普通のサイズに戻りつつある。
2022くらいからは「ビックシルエット」というよりは「ボックスシルエット」と名前を変えて少しスマートになっていて、思い切ったビックシルエットはメンズファッションにはもう少ない。

ユニクロが“地味”から“ちょうどいい”へ

オーバーサイズが全盛期だったとき、ユニクロやGUのシンプルな服って、「地味」「普通すぎ」とか言われがちだった。
特にファッションの最前線を走る人たちにとって当時は、国内ファストファッションのシルエットは流行に乗れていないって雰囲気があったと思う。

でも、最近はその“普通さ”がかっこよく見えるようになってきた。

もちろんまだ少し大きめではあるけどちゃんとサイズが合ってて、清潔感があって、無理してない感じ。ユニクロのシャツにスラックスだけでも、「それ、どこのブランド?」って聞かれるような空気になってきてる。

これは「トレンドを追わない潔さ」が評価されるようになったってことかもしれません。

これからの“ちょうどいい”ファッション

今のムードは、サイズ感の見直しはもちろん、程よい緩さと素材感
オーバーサイズが一周して、今また「ちょうどいい」が新鮮に映るようになった。

全体的なバランスを重視するファッションに移行してきているのを感じる。

そして今後は、「クラシック」「ベーシック」もしかしたら「ミニマル」な服がますます支持される時代になってくるかも。
シンプルだけど洗練されている、“スタイルのある普通”が求められそう。

オーバーサイズの終わりは、新しいおしゃれの始まり

デムナ就任後、バレンシアガが“おしゃれ=違和感”を押し出し、オーバーサイズを“ラグジュアリーの新しい形”として提案したのは2016年頃から。そこから数年でストリートにも火がつき、ユニクロまでもが“ゆるいサイズ感”に寄っていった。って話したんだけど

2025年ウィンターコレクションは「スタンダード」がテーマ。
これまでの誇張されたオーバーサイズから一歩進み、オーバーサイズの伝統を尊重しつつも、快適さや実用性を兼ね揃えた方向性みたい。

もちろんバレンシアガだけが流行を作るわけではないが
2025年は提唱していた本人も「オーバーサイズ」を提唱し直そうとしているのは間違いない。

今後もし、ちょっといい服を買うときの参考にしてくれたら幸い。

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