福岡に引っ越してきたばかりの頃、私は70万円を失った。
きっかけは、マッチングアプリで知り合った「友達」だった。(仮名たかあき、たいち)
1人は天神で建築業を営んでいるらしいという噂のみだ。
知らない人から突然、「70万円払えば儲かりますよ」と言われたわけではない。
何度か一緒に酒を飲んで、普通に友達だと思っていた人から「すごい人がいる」と紹介された。
その先で勧められたのが、スポーツベッティングの勝敗予測をLINEで配信するという高額な情報商材だった。
今考えれば、なんでそんなものに70万円払ったんだ。
と思う。
しかも私はギャンブルすらしない。
ただ、騙されている時って意外とそんなものなのかもしれない。
この記事では、私がどうやって相手を信用し、70万円を支払い、借金だけが残ったのか。
そして、その後実際に相談して分かったことまで書いておこうと思う。
同じような勧誘を受けている人には、一度読んでほしい。
ちなみに借金は全て完済済み。
福岡に引っ越したばかりで友達がいなかった
当時、私は関西から福岡に引っ越してきたばかりだった。
なぜ福岡に引っ越すことにしたかも別記事で書いているので、ぜひ読んでみてほしい。
まだ仕事も始まっておらず、時間だけはある。
ただし友達はいない。
そこでマッチングアプリを使って同性の人と会い、「友達でもできればいいな」くらいの軽い気持ちで飲みに行くようになった。
そこで知り合った30代の男性たちと、4〜5回ほど飲みに行った。
ここが結構重要だと思う。
最初からビジネスの話をされたわけではない。
普通に飲みに行った。
何回も会った。
だから私は相手を警戒しなくなっていた。
今振り返ると、高額な商品そのものよりも先に人間関係ができていたことの方が怖い。
「すごい人を紹介したい」と言われた
何度か飲んだあと、「ビジネスをやっているすごい人がいる」という話になった。
そこで紹介されたのが、東京で建築関係の会社の副社長をしているという“ダンさん”を紹介された。
そして勧められたのが、70万円を払えば、スポーツベッティングで勝つための予測情報をLINEで送るというもの。
このシステムを作った人はスポーツベッティングだけで生活しているプロで、その人の知見を金で買えると。
さらに「仕事も紹介する」という話までついてきた。
当時の私は仕事について悩んでいた。
そこに、
「稼げる」
「仕事も紹介できる」
「知り合いが紹介してくれた人」
という条件が重なった。
冷静に文章にすると怪しすぎる。
でもその場にいた時は、そう簡単に切り離して考えられなかった。
そもそも紹介してきた人たちを友達だと思っていたからだ。
その場で借金をして70万円払った
当然、すぐに70万円を用意できるほど金があったわけではない。
そこで言われたのが、「今すぐお金を用意してほしい」という話だった。
私は消費者金融から借金をした。
そして70万円を支払った。
ここまで書いていて自分でも嫌になる。
ギャンブルをやらない人間が、スポーツベッティングの商材を買うために借金している。
ただ、これが実際にあった。
そしてお金を払ったあと。
期待していたような具体的な情報は、ほとんど来なかった。
仕事も紹介すると言われていたが、出てきた話はなぜかカニ漁師だった。
いや、なんでやねん。
最終的に相手と距離を置くと、LINEも未読のまま。
私に残ったのは70万円分の借金だった。
今なら分かる。怪しいポイントは山ほどあった
今振り返れば、警戒するポイントはいくらでもあった。
例えば、
- 「確実に稼げる」と言われる
- 商品の中身が契約前によく分からない
- 高額な金額をその場で要求される
- 手元にお金がなければ借金を勧められる
- 知人から別の「成功している人」を紹介される
- 契約書や条件が曖昧
- 商品だけでなく仕事や人脈までセットで提示される
こうして並べると本当に分かりやすい。
国民生活センターも、情報商材に関する相談事例としてマッチングアプリで知り合った人から投資講座を勧められるケースや、「稼げる」と言われて借金をして高額契約するケースを現在も紹介している。
つまり、私だけが遭遇した珍しい話というわけでもない。
そして個人的に一番警戒してほしいのは、「友達からの紹介だから大丈夫」と思ってしまうことだ。
私はここで完全に油断した。
なぜギャンブルをしない私が70万円払ったのか
これについては自分でも何度も考えた。
私はスポーツベッティングに興味があったわけではない。
一攫千金を狙ってギャンブルを始めようとしていたわけでもない。
じゃあ、なぜ払ったのか。
たぶん私は商品ではなく、人を信用したんだと思う。
何度も飲みに行った人から紹介された。
仕事の悩みもあった。
その人たちとの関係を壊したくないという感覚もあった。
それが全部重なった。
完全に孤立無縁状態になったタイミングだったことも大きいだろう。
70万円を取り戻そうとして実際に相談した
当然、あとから「これはおかしい」と思った。
振込履歴やLINEのやり取りなど、残っていた証拠を集めた。
そして私は弁護士への相談もした。

ただ、私の場合は契約書など十分な資料が揃っておらず、相談した結果、簡単に回収できる状況ではなかった。
ここで注意したいのは、
「LINEがあれば絶対取り返せる」
「契約書がなければ絶対無理」
と一般化するつもりはない。けど、弁護士にもかなり難しいと言われた。
契約内容や勧誘方法、支払い方法、残っている証拠によって状況は変わる。
あくまで私の場合は、最終的に70万円を取り戻すことはできなかった。
かなり高い授業料になった。
同じような勧誘を受けたら、まず証拠を消さない
もし今まさに、
「高額な商材を買ってしまった」
「借金して契約してしまった」
という人がこの記事を読んでいるなら、まずやってほしいのは記録を残すことだ。
例えば、
- LINEやDMなど相手とのやり取り
- 振込履歴
- クレジットカードの利用記録
- 契約書
- 商品の説明資料
- 広告やWebページのスクリーンショット
- 相手から言われた内容
- いつ、どこで、誰と会ったのか
私は「あとから何とかすればいい」と思っていた部分もあった。
でもトラブルになったあとでは、残っている情報がものをいう。
私の場合、怪しい話ほどLINEには残さず、電話や対面で話されることが多かった。
だから可能なら、日時や会話内容を自分で記録しておいた方がいいと思う。
そして追加料金を求められても、焦ってさらに支払わない方がいい。
まずは消費生活センターに相談する
高額な情報商材などの消費者トラブルでは、消費者ホットライン「188」がある。
188に電話すると、最寄りの消費生活センターなどにつながる。
国民生活センターでも情報商材について継続的に相談事例を公開しており、マッチングアプリ経由の契約や借金を伴う高額契約も実際に相談されている。
契約の方法によっては、解約やクーリング・オフなどを検討できる場合もある。

自分だけで、
「これは詐欺なのか?」
「警察に行くべきなのか?」
「弁護士に相談するべきなのか?」
と判断するより、まず相談窓口に状況を説明した方がいいと思う。
私ももっと早く動けばよかった。
スポーツベッティングは「海外サイトなら合法」ではない
もう一点、この記事を書き直す上で重要なので触れておく。
現在、警察庁は、海外で合法的に運営されているサービスでも、日本国内からオンラインで賭博を行うことは犯罪と明確に案内している。
そして「スポーツベッティング」もその対象として明記されている。
つまり、
「海外のサイトだから問題ない」
「海外では合法だから日本人も使える」
という説明は信用しない方がいい。
私が勧められたものも、スポーツの勝敗予測を受け取り、ブックメーカーを利用するという内容だった。
予想情報が届いていたとしても、私は関わらない方がよかったと思っている。
今となっては70万円を失ったこと以上に、余計なトラブルに巻き込まれずに済んだだけマシだった、と考えることもある。
一番怖かったのは「知らない人」ではなかったこと
怪しい投資話には気をつけよう、なんて誰でも知っている。私も知っていた。
でも「友達だと思っている人から紹介されたらどうするか」までは考えていなかった。
70万円の商品を最初に見せられていたら、おそらく買わなかった。
その前に人間関係があったから買ってしまった。
「確実に稼げる」「すごい人を紹介する」「お金がないなら借りればいい」。
こんな話が出てきたら、一度その場から離れてほしい。
私はそれができなくて70万円を失った。
特に福岡市で「ダンさん」という人間を紹介されそうになったら気をつけて。
