(アイキャッチ画像は「マインクラフト/ザ・ムービー」公式HPから)
2025年4月、『マインクラフト/ザ・ムービー』が公開された日に「最近、ゲーム原作の映画って増えてないか?」という記事を書いた。
あれから約1年半。
改めて振り返ってみると、思っていた以上にゲームの映画化は加速している。
2023年に『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が大ヒット。
2025年には『マインクラフト/ザ・ムービー』。
2026年には『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』が公開され、さらに実写版『ストリートファイター』も控えている。
そして2026年9月8日、任天堂は実写映画『ゼルダの伝説』を2027年4月30日に全世界公開すると正式発表した。
あとは2026年10月9日公開予定にバイオハザードがある。ここ最近上手く行ってないし、
前の映画もネトフリのドラマも終わったから新しい新作には期待したい。
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なんというか、もう「ゲームがたまに映画になる」時代ではない。
ゲームそのものが、映画やドラマを作るための巨大IPになった。
一方で、昔この記事を書いた時の私は、
今後は実写より3DCGアニメのゲーム映画が中心になるんじゃないか
と予想していたんだけど、これはちょっと違った。
マイクラは実写+CG。
ストリートファイターも実写。
そしてゼルダまで実写である。
じゃあこの1〜2年で何が起きたのか。
昔のゲーム映画と何が変わったのか。
改めて考えてみたい。
ゲーム原作映画、本当に増えた
昔、ゲーム原作の映画と聞いて思い浮かべるのは『バイオハザード』とか『トゥームレイダー』とか。
あとは、ちょっとB級感漂う作品も多かった。
ゲーム好きとしても、「ゲームの映画化?大丈夫か?」くらいの気持ちで見るジャンルだった気がする。
でも今は全然違う。
特に象徴的だったのが2023年の『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』。
全世界興行収入は約13.6億ドル。2023年の世界興行収入ランキングでも『バービー』に次ぐ2位だった。
そして2025年の『マインクラフト/ザ・ムービー』も約9.6億ドル。世界興収でその年の上位に入る大ヒットになった。
さらに2026年の『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』も世界興収10億ドルを突破している。
マリオが一発だけ偶然当たったわけではなくなった。
「有名ゲームをちゃんと映像化すれば、とんでもなく大きな市場になる」
ということを、この数年でハッキリ証明してしまったんだと思う。
なぜ今、映画会社はゲームを原作にしたがるのか
一番分かりやすい理由は、最初から世界中にファンがいるから。
映画オリジナル作品なら、
「この主人公は誰なのか」
「この世界はどういう場所なのか」
というところから観客に興味を持ってもらわなければならない。
でもマリオなら説明不要。
ピカチュウも説明不要。
マインクラフトなら、ゲームを遊んだことがなくても「四角い世界のゲーム」くらいは知っている人が多い。
ゲームは何十年もかけて、
- キャラクター
- 世界観
- 音楽
- アイテム
- ファン
- ブランド
をすでに作っている。
映画会社からすれば、これはめちゃくちゃ強いんだろう。
昔は小説やコミックが担っていた「有名な原作」のポジションに、ゲームが本格的に入ってきたんだということ。
ただし、単純に「映画会社がゲームを利用している」というだけでもない。
むしろ最近はゲーム会社自身が映画をIP戦略として使っている。
カプコンは公式に、ゲーム・eスポーツ・映像などへIPを展開する「ワンコンテンツ・マルチユース戦略」を掲げていて、2026年10月16日には実写版『ストリートファイター』を全世界公開する予定だ。
つまり、
ゲームが売れた
↓
映画化する
だけじゃない。
映画を見る
↓
キャラクターを知る
↓
ゲームを遊ぶ
↓
グッズを買う
↓
また次の映像作品を見る
という循環そのものを作ろうとしている。
映画単体で儲かれば終わり、ではなくなっている。
『マリオ』が変えたのは「ゲームを映画らしくする」発想
特に『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が成功した理由は、日本人には結構分かりやすいと思う。
ちゃんとマリオだった。
土管。
キノコ。
カート。
レインボーロード。
クッパ。
ゲームをやったことがある人なら分かるものが次から次へ出てくる。
昔のゲーム原作映画には、
原作の名前を借りて、映画側が好きに作る
みたいな作品も結構あった。(昔のマリオの実写映画とか)
ゲームと設定が全然違うとか、キャラクターだけ同じとか。
でも今は逆で、ゲームの世界そのものをどう映画として成立させるかに変わってきたように思う。
任天堂自身が『マリオ』の映画制作に深く関わっていたことも大きい。
2026年公開の『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』も、任天堂の宮本茂とイルミネーションのクリス・メレダンドリが引き続き共同プロデューサーを務めた。
映画会社だけに「はいマリオ貸します」と丸投げしているわけではない。
ここは昔とのかなり大きな違いだと思う。
『マイクラ』はもっと変な成功例だった
個人的に面白いのは映画のマインクラフト。
そもそもゲームのマイクラって、映画にするようなストーリーがほぼない。
魔王を倒すゲームでもない。
主人公の壮大な人生が描かれるわけでもない。
家を作ってもいい。
地下を掘ってもいい。
モンスターと戦ってもいい。
何ならずっと農業しててもいい。
何してもいいゲームだ。
だから実写映画化すると聞いた時、「何を映画にするんだよ」と思った。
ところが実際の映画では、現実世界の人間をマイクラの世界へ送り込み、ゲームのルールや見た目を使って一本の冒険映画を作り、約9.6億ドルの世界興収を記録した。
これはかなり大きいと思う。
原作に忠実というのは、ゲームのストーリーをそのまま映画にすることではない。
原作に明確なストーリーがなくても、
「このゲームを遊んだ時に感じるもの」
さえ壊さなければ映画になる。
マイクラがそれを証明した。
「今後は3DCG映画になる」という私の予想は外れた
ここは昔の記事を書いた自分に訂正を入れておきたい。
当時は、
ゲームのキャラクターを実写にするのは難しい
↓
『マリオ』『ソニック』の成功
↓
今後は3DCGアニメ中心になる
と思っていた。
でも2026年現在を見ると、そう単純でもなかった。
『マインクラフト/ザ・ムービー』は俳優とCGキャラクターが共存する作品。
2026年の『ストリートファイター』は実写、そして『ゼルダの伝説』も実写なんだよね。
任天堂は2026年9月8日に正式タイトルを『ゼルダの伝説』と発表し、2027年4月30日の全世界公開を予定していて、プロデューサーには宮本茂とAvi Aradが名を連ねている。
ゼルダ実写化はかなり興味深い。
マリオみたいなデフォルメされた世界ならアニメとの相性がいい。
一方でゼルダは人間に近いキャラクターデザインで、広大な自然や城、村、剣と魔法の世界がある。
たしかに実写ファンタジー映画にも落とし込みやすい。
つまり重要なのは、実写かアニメかではなかった。そのゲームの世界を最も違和感なく表現できる方法を選ぶようになってきた。
という方が近いんだと思う。
任天堂はもう「ゲーム会社が映画も作った」段階ではない
そしてゼルダの発表を見て一番感じるのがこれ。
任天堂は映画を一回限りのイベントとして考えていない。
2025年の経営方針説明資料では、
2023年『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』
↓
2026年『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』
↓
2027年『ゼルダの伝説』
と並べた上で、その先にも映画を継続して公開する準備を進めていることを示している。
しかも『マリオギャラクシー』について任天堂自身、映画を通じてゲームを遊んだことがない人にもNintendo IPに触れてもらう機会になると説明している。
これが今のゲーム映画の本質なんだと思う。
映画を売りたいだけじゃない。
マリオという存在そのものを、ゲームをしない人にも知ってもらうための作品。
そして10歳の子供が映画を見てマリオを知れば、その後何十年も任天堂の商品に触れる可能性がある。
そりゃ映画作るわ。
映画だけじゃなくドラマとの相性も良かった
もう一つ、昔の記事では少ししか触れていなかったのがドラマ。
『The Last of Us』や『Fallout』のように、ゲームを連続ドラマとして映像化する作品も増えた。
これも考えてみるとかなり自然。
ゲームって普通に20時間、30時間、下手したら100時間以上遊ぶ。
そこには、
- 世界観
- サブキャラクター
- 小さなエピソード
- 街
- 組織
- 歴史
が大量に詰まっている。
それを2時間の映画に全部入れるのは無理があるし、むしろ8話、10話と時間を使えるドラマの方がゲームと相性がいい作品も当然ある。
『サイバーパンク2077』から『サイバーパンク エッジランナーズ』みたいなアニメが生まれたのも同じ。
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本編をそのまま映像化しなくても、
同じ世界に別の物語を作れる。
これがIPとして成熟してきたゲームの強さなんだろう。
逆に「映画をゲームにする」は減ってしまった
ただ、個人的にはこっちが寂しい。
子供の頃、PS2くらいまでは映画原作ゲームがめちゃくちゃあった。
『ゴッドファーザー』。
『ロード・オブ・ザ・リング』。
『ジョーズ』。
『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』。
特にスター・ウォーズは死ぬほど弟と遊んだ。そして死ぬほど喧嘩した。
『ゴッドファーザー』も好きだった。
1940年代の街を歩き回りながら、ほぼGTAみたいなことができる。
今考えてもかなり無茶なゲームである。
こういうゲーム、また欲しい。
PS2並みのクオリティでいいから欲しい。
ただ今は、ゲーム一本を作るのに必要な予算も開発期間も昔とは全然違う。
映画公開日に合わせてゲームを一本作って発売する、みたいな商売が難しくなったのも分かる。
適当に作ればすぐ、「キャラゲーだからクソゲー」と言われる。
今のゲームは一本を何年もアップデートし続ける時代なので、映画の公開期間に合わせて売るゲームとは商売の仕組み自体が合わなくなったんだと思う。
分かる。分かるんだけど、また映画一本につき謎のPS2ゲーム一本くらい出してほしい。
私は買う。
ゲーム映画は「映画化」ではなくIPを育てるものになった
昔は、
人気ゲーム
↓
映画化
という一方通行だった。
でも今はそうではない。
ゲーム。
映画。
ドラマ。
アニメ。
グッズ。
テーマパーク。
eスポーツ。
全部が同じIPを中心に繋がっている。
カプコンが「ワンコンテンツ・マルチユース」と呼んでいる考え方も、任天堂が継続的に映画を制作しようとしている流れも、結局ここに行き着く。
だからゲーム原作映画が増えている理由を、「ハリウッドが映画のネタ切れだから」だけで説明するのは、今となってはちょっと違うと思う。
ゲーム会社側にも映画を作る強烈なメリットがある。
マリオのゲームを遊ばない人が映画なら見る。
映画を見た子供がゲームを買う。
ゲームを遊んだ人がUSJに行く。
そして次の映画も見る。
一本の作品ではなく、キャラクターや世界そのものを何十年も育てる。
ゲームがそれだけ巨大な文化になったということなんだろう。
今後一番楽しみなのは『ゼルダの伝説』
そして個人的に、今後のゲーム原作映画で一番気になっているのはやっぱり『ゼルダの伝説』。
マリオは最初から映画にしやすいキャラクターだったと思う。
でもゼルダはちょっと違う。
作品によってリンクもゼルダも世界観も変わる。
『時のオカリナ』のような王道ファンタジーにもできるし、『ブレス オブ ザ ワイルド』のような広大で孤独な世界にもできる。
しかも主人公のリンクは基本的にほとんど喋らない。
これを実写映画でどうするのか。
かなり難しいと思う。
だからこそ面白い。
2025年にこの記事を書いた時には、
「ゼルダもそのうち映画になるらしい」
くらいだった。
それが今はタイトルも決まり、2027年4月30日公開まで正式発表された。
一年ちょっとでここまで来た。
おそらく数年後にまたこの記事を読み返したら、「2026年の時点でもまだゲーム映画を少なく見積もってたな」となっている気もする。
昔はゲーム映画と聞くと少し不安だった。
今はむしろ、「次はどのゲームが映画になるんだ?」と思う。
ゲーム原作映画は一時的なブームではなく、ゲームという文化が映画・ドラマと同じ場所まで来た結果なのかもしれない。
気になったゲーム原作作品を観てみる
ゲーム原作映画やドラマはNetflix限定作品もあれば、レンタル・購入のみの作品もあるので、気になるものがあれば各サービスで確認してみてほしい。
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配信は入れ替わることがあるので、最終的な視聴可否は各サービス側で確認してみてほしい。
