2026年10月9日、映画『バイオハザード』の完全新作が日本でも公開される。
監督は『バーバリアン』『WEAPONS/ウェポンズ』のザック・クレッガー。
海外ではすでに9月18日から公開されている。
つまり調べようと思えば、もう結末まで全部分かる。
なので調べない。
いや、正確には公開されている情報や監督のインタビューくらいは見る。
ただ海外のレビューを漁って、「実際はこうなります」と答えを知ってから予想するのは、ちょっと違う。
せっかく俺はこのところ、
『バーバリアン』
『WEAPONS/ウェポンズ』
そしてクレッガーが製作に関わった『コンパニオン』と、クレッガー周辺の作品を続けて見てきた。
だったら日本公開前に一度、「この監督がバイオを撮ったら、たぶんこうなるんじゃないか」を勝手に予想しておきたい。
そして公開後、自分で答え合わせしたい。
今のところ俺が一番期待しているのは、レオンやジルの実写版ではない。
むしろ『バイオハザード アウトブレイク』みたいな、普通の人間がラクーンシティの地獄に放り込まれる映画である。
今回のバイオは原作キャラを再現する映画ではない
まず今回の映画は、ゲーム本編をそのまま実写化する作品ではない。
主人公はオースティン・エイブラムス演じるブライアン。
医療品の配送を請け負った男が、とんでもない一夜に巻き込まれていく。
公式のあらすじも今のところそれくらいで、レオン・S・ケネディが警察署に出勤するとか、ジル・バレンタインが洋館に向かうとか、そういう話ではない。
これについてクレッガー本人も、かなりハッキリしている。
『バイオハザード2』のレオンの物語をもう一度映画でやるより、ゲームの世界の横で起きていたかもしれない別の物語を作りたいという考えらしい。
さらに舞台としては『2』の世界をベースにしつつ、一人の人物がA地点からB地点へ移動しながら、ゲームで経験するような恐怖に遭遇していく構成を狙ったと話している。
俺はこれ、大賛成である。
もう「レオンの服を着た人」を見たいわけじゃない
バイオハザードの実写映画って難しい。
原作から離れすぎれば、「これバイオである必要ある?」と言われる。
だからといってゲームに寄せすぎると、急にコスプレ映画っぽくなる。
髪型。
服。
警察署。
ゲームと同じ構図。
「あ!ここゲームにあった!」
というのは、もちろんそれはそれで嬉しい。
俺も原作を知っているからニヤッとはする。
ただ、そこを映画の面白さそのものにされると、ちょっとしんどい。
ゲームではカッコいいレオンも、実写で同じ服を着せて同じポーズを取らせた瞬間、妙に「レオン役の人」っぽく見えることがある。
だったらもう、レオンを出さなくていいんじゃないか。
ラクーンシティ。
アンブレラ。
感染。
ゾンビ。
B.O.W.
この世界だけ借りて、全然知らない人間を地獄にぶち込めばいい。
俺はその方が、映画としてはずっと見たい。
俺が一番見たいのは『アウトブレイク』みたいなバイオ
そこで思い出すのが『バイオハザード アウトブレイク』である。
『アウトブレイク』の面白いところって、レオンやクリスみたいな超人が主人公じゃないところだと思う。
ラクーンシティで暮らしていた普通の人たち。
ウェイトレスだったり、医者だったり、警官だったり。
昨日まで普通に生活していた人間が、今日いきなりゾンビだらけの街に放り込まれる。
こっちの方がクレッガーには合う気がする。
というのも、クレッガー自身が今回の主人公ブライアンについて、戦闘の達人ではなく、ゲームの世界に普通の人間が放り込まれたらどうなるか、という発想で作ったキャラクターだと説明している。
これを聞いた時点で、「ああ、そっちなら見たいかも」と思えた。
そういう人間を主人公にした方が、ホラーとしては怖い。
主人公はたぶん、かなりおっちょこちょいだと思う
そして主演がオースティン・エイブラムス。
ここもかなり期待している。
『WEAPONS/ウェポンズ』を見た人なら分かると思うけど、見てるこっちはちょっと笑ってしまう人間がいたりする。
実際クレッガーはブライアンを、戦闘能力もサバイバル能力もほぼない普通の男として説明している。
なので俺の勝手な予想では、かなりやらかす。
ゾンビから逃げてるのに物を落とすとか。
銃を手に入れても全然使えないとか。
絶対そっち行くなという方向へ行くとか。
そして俺は公開前の今の時点では、最後まで無事なタイプにも見えていない。
これは完全に俺の予想である。
あとで外れてたら笑ってほしい。
『WEAPONS』みたいな複数視点もあると思っていた
もう一つ、最初に予告を見たときに思ったことがある。
主人公ブライアンとは別に、警察内部とか、病院とか、アンブレラ側とか、別の人物のPOVもあるんじゃないか。
と思っていた。
『WEAPONS』がまさにそうだったからだ。
一つの出来事を、違う人物の視点から何度も見る。
さっきまで意味不明だった行動が、別の人間のパートに入ると、「ああ、そういうことだったのか」となる。
あの構造はめちゃくちゃ好きだった。
だからラクーンシティという巨大な事件でも、
配送員
警察官
病院関係者
一般市民
みたいに視点が切り替わって、最後に一つにつながるのかなと思っていた。
ただ、クレッガーの事前インタビューを読むと、今回はむしろ「一人の人物をAからBまで追い続ける」こと自体をかなり重視しているらしい。
ここは俺の予想とちょっと違う。
でもそれはそれで面白い。
『WEAPONS』と同じことをもう一回するより、一本の長い地獄巡りみたいな映画になるなら、それも見たい。
「ゲームのストーリー」じゃなく「ゲームを遊んでる感じ」を映画にしてほしい
クレッガーが今回の映画について語っている中で、一番安心したのがここ。
彼が好きなのは、単にバイオのキャラクターや設定じゃない。
サバイバルホラーとしてのバイオハザードそのものらしい。
弾が少ない。
回復アイテムも少ない。
この廊下絶対なんかいる。
でも進まないといけない。
何を持っていって、何を置いていくのか考える。
クレッガー自身、『バイオハザード2』を遊んだときにそうした資源管理が印象的だったと話していて、今回の映画でもゲームを遊んだときの感覚を再現したかったという。
実写バイオに欲しいのもこれなんだよ。
別に警察署の廊下を完全再現しなくていい。
レオンの髪型を再現しなくていい。
「弾あと2発しかないんだけど」っていう絶望を映画でやってほしい。
それができたら、登場人物が知らない人でもちゃんとバイオハザードになると思う。
クレッガーなら、ホラーにちゃんと寄せてくれそう
これまでの実写版バイオって、どちらかというとアクション映画側に寄った作品が多かった。
もちろんそれが好きな人もいる。
俺も全部嫌いなわけではない。
ただ、原作ゲーム、とくに初期バイオの魅力って、銃をぶっ放して気持ちいいというより、扉を開けたくねえ…みたいな怖さかなって。
クレッガーも、バイオについて「アクションではなくホラー」とかなり明確に話している。
弾薬が少ない状態で暗い場所へ進まなければならない、その圧迫感を大事にしてるっぽい。
『バーバリアン』を撮った人間にそこをやらせる。
俺はもうそれだけで、かなり安心している。
そして音楽もたぶん印象に残る
もう一個期待しているのが音楽。
クレッガー作品って、音の残り方が結構強い。
特に『WEAPONS/ウェポンズ』は、怖いだけじゃなく、音楽が妙に耳に残った。
今回の『バイオハザード』も、『WEAPONS』に続いてライアン&ヘイズ・ホラデイがスコアを担当していて、サウンドトラックもすでに公式に発表されている。
なので俺は、ゾンビが出る→怖いBGMドーンだけじゃないと思っている。
むしろ日常的な音楽と、とんでもない光景をぶつけてくるんじゃないか。
スーパー。
病院。
車。
ラジオ。
そんな場所で普通の曲が流れているのに、外では街が終わっている。
こういう、日常と地獄が一緒に存在している感じは、今回の普通の主人公とも相性がいい。
ここもかなり楽しみにしている。
『バイオハザード』を忠実に映画化しなくていい
ゲーム原作映画を見ると、原作に忠実かどうか
がどうしても話題になる。
もちろん、あまりにも違えば俺だって気になる。
でも俺は今回、忠実でなくてもいいと思っている。
というより、キャラクターじゃなく、バイオハザードの感触に忠実であってほしい。
むしろ、レオンの髪型が完璧です!よりそっちの方が嬉しい。
俺が見たいのは「名もない人間のラクーンシティ」
結局、俺が今回一番期待しているのはこれかもしれない。
ゲーム本編の主人公っぽくなくて、世界を救う英雄でもない。
ただその日、たまたまラクーンシティにいた人間。
そういう人から見たバイオハザード。
だから俺は『アウトブレイク』を思い出す。
クレッガー自身も、今回の映画は既存ゲームの物語を再現するのではなく、ゲーム世界の傍らで起きた別の物語として作っている。
だったら、「原作キャラが何人出るのか」より、「知らない人間なのに最後まで見ていたくなるか」を俺は見たい。
海外ではすでに公開されている。
たぶん検索すれば、この記事を書いている今でも答えはいくらでも出てくる。
でも10月9日までは、それを知らなくていい。
俺の予想としては、頼りない主人公が、ラクーンシティの地獄をひたすら進む。
ちょっと笑える。
ちゃんと怖い。
音楽も変。
そして最後まで全然安心できない。
そんな『バイオハザード』だったら最高だ。
公開されたら、この記事を横に置いて答え合わせしようと思う。
たぶん何個かは盛大に外している。
それも含めて楽しみである。

