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『WEAPONS/ウェポンズ』感想|怖さより群像劇が面白い。『来る。』を思い出した理由【ネタバレあり】

zenzen

1994年北海道出身、福岡在住。会社員をしながら副業で美容師。映画・ゲーム・ガジェット・暮らしについて、実際に使った・観た・経験したことを中心に書いています。
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ぜんあくなしのレビュー

『WEAPONS/ウェポンズ』を観た俺の評価

怖さより「これどう繋がるんだ?」が面白かったホラー。
群像劇が少しずつ一つの事件へ集まっていく感じはかなり好き。
ただ、グラディスの正体が見えてからは少し好みが分かれた。

俺は普段、そんなにホラー映画を見ない。
怖いからではない。

いや、怖いけど。

どちらかというと、ホラーって怖がらせることを優先するあまり、ストーリーがあんまり面白くないと感じる作品が結構あるからだ。

『呪怨』なんかも嫌いではない。
でも俺の中では、群像劇での怖いところの詰め合わせ感もある。

そりゃ怖いよね。

なので「ホラーだから」という理由だけでは、俺はあまり映画を見る気にならない。

今回『WEAPONS/ウェポンズ』を観たきっかけも、ホラーが観たかったからではなく、新作映画『バイオハザード』だった。

監督は『バーバリアン』『WEAPONS』のザック・クレッガー。

2026年版『バイオハザード』はアメリカで9月18日に公開され、この記事を書いている9月28日時点でRotten Tomatoesの批評家スコアは96%。
日本では10月9日公開予定となっている。

それを見て、この監督、何者なんだ。
となった。

そこで改めて『WEAPONS』を観てみた。

結果、俺に刺さったのは恐怖より、ドラマだった。

『WEAPONS/ウェポンズ』とは

『WEAPONS/ウェポンズ』は2025年のアメリカ映画。

『バーバリアン』のザック・クレッガーが監督・脚本・製作を担当。日本では2025年11月28日に公開され、本編は約128分。

出演はジョシュ・ブローリン、ジュリア・ガーナー、オールデン・エアエンライク、オースティン・エイブラムス、ベネディクト・ウォン、エイミー・マディガンなど。日本ではR18+指定となっている。始まりはかなり強い。

午前2時17分。
ある小学校の同じクラスに通う17人の子どもたちが、一斉に家を出て暗闇へ走っていく。

そして消える。

残された生徒は、一人だけ。

なぜ同じ時間なのか。

なぜこのクラスなのか。

子どもたちはどこへ行ったのか。

担任教師ジャスティン、子どもを失った父親アーチャーをはじめ、さまざまな人物の視点から事件が描かれていく。

怖いというより「この話どうなるの?」が勝った

もちろんホラーなので、怖い場面はある。

急に出る。
急に音が鳴る。

いわゆるジャンプスケア的なものもある。

俺も普通に、うお。
とはなった。

でもそれ以上に強かったのが、これどういう話なんだ?だった。

最初は教師。
そこから別の人物。

さらに警官。
そしてヤク中。

この辺になってくると、お前ら今のところ何の関係があるんだ。

と思う。

でも少しずつ、
あれ。
ここ繋がるのか。
さっきのあれ、そういうことか。

となってくる。

俺はこの辺から完全に、

怖い<面白い

になった。

バラバラの視点が一つの事件へ集まっていく

この構成は、かなり意図的だったらしい。

ザック・クレッガーは『マグノリア』を大きな参考作品として挙げていて、一人の主人公をずっと追うのではなく、複数の人物それぞれに章を持たせる構造をかなり早い段階から考えていたという。

『パルプ・フィクション』についても、子どもの頃に観て「物語の構造を枠から外して考える」ことに強く影響されたと話している。

だから最初は話が散らかっているように見える。
でも新しい人物へ視点が移るほど、事件から離れているわけではない。

違う方向から、同じところへ近づいている。
これが面白かった。

そして俺が観ながら思い出したのが、中島哲也監督の『来る。』。

内容や怪異が似ているという話ではない。

群像劇的に人が増えて、最初はバラバラだった話が同じ事件へ向かって集まっていく。

そして、
ただ怖がる。
ただ逃げる。
だけじゃなく、

「で、これ何なんだ」へジリジリ近づいていく。

ここが俺にはかなり『来る。』っぽかった。

ホラーなのに妙な間があって、たまに笑える

もう一つ好きだったのが、妙な間。

別にギャグを言っているわけではない。

でも時々、なんか面白い。

異常な状況なのに、人間の反応や会話のテンポが妙で、ちょっと笑ってしまう。

『バーバリアン』でも同じようなものを感じた。

調べてみると、ザック・クレッガーは元々スケッチコメディ集団「The Whitest Kids U' Know」の創設メンバー。

2009年にはコメディ映画『Miss March』を共同脚本・共同監督している。

ホラーとコメディって真逆に見えるけど、どっちも「間」が重要なんだろうなと思う。

その妙なテンポがあるから、128分あっても俺は結構見やすかった。

子どもたちが走る映像と音楽がやたら頭に残る

最初に印象に残るのは、やっぱりあの画だと思う。

午前2時17分。

子どもたちが家から出て、両腕を広げるような妙な格好で夜道を走っていく。

そこに流れるのがジョージ・ハリスンの、

「Beware of Darkness」という曲。

この音楽を使用するためにかなりの金額を払ったらしい。
けど、撮影前の脚本にもすでに書き込まれていたらしいのでこの曲で最初から想定していたらしい。

タイトルも、「暗闇に気をつけろ」みたいな意味。

そこで子どもたちが暗闇へ走って消えていく。

そりゃ印象に残る。

劇伴はライアン・ホラデイ、ヘイズ・ホラデイに加えて、ザック・クレッガー本人も作曲している。

公式サウンドトラックにも3人の名前が並んでいる。

俺はラストも含めて、この映画、音楽いいな。
と思った。

怖い音をドーンと鳴らすだけじゃなく、選曲そのものが映画の妙な空気に合っている。

俺みたいにホラーをあまり観ない人でも見やすかった

怖さだけで2時間引っ張る映画だったら、俺はたぶん途中で飽きていた。

この映画は、謎とドラマで引っ張って、その途中に怖いものがいる。

俺にはこっちの方が合っていた。

ただ後半の展開は、結構「海外ホラーだな」

とも思った。

そこから先はネタバレになる。


ここからネタバレ

ここからは『WEAPONS/ウェポンズ』の犯人・正体・ラストまで普通に触れる。

『WEAPONS/ウェポンズ』はどこで見られる?

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警官とヤク中が繋がってから一気に面白くなった

俺が特に面白くなってきたのは、

警官のポール。
そしてジェームズ。

この辺。

教師と子どもの失踪事件を観ていたはずなのに、別の人間へどんどん話が移っていく。

でも後から同じ場面や場所を違う人物側から見ることで、あ、あそこにいたのこいつだったのか。

となる。

この映画の群像劇って、人物を増やして世界を広げるというより、

同じ事件を違う角度から狭めていくために使ってるんだと思う。

俺はそこがかなり好きだった。

『来る。』を思い出したのは、解決へ近づいていく構造

俺が『WEAPONS』を観て『来る。』を思い出したのは、

ラストが派手だから。
反撃してスカッとするから。
ではない。

いろんな人物が出てきて、最初は別々に動いていた人たちが、少しずつ同じ原因へ近づいていく。

最終的には、何が起きているのか突き止めて、その場所まで行く。

この進み方が似ていると思った。

『呪怨』のように、
家と関わりを持った。
呪われた。
終わり。

というタイプのホラーとはかなり違う。

俺は、「じゃあどうするんだよ」まで進むホラーの方が好きなのかもしれない。

※ここから少し『来る。』のネタバレも入る

『来る。』は最後に大人数で怪異へ向かっていく。

でも相手は結局、何なのか完全には掴み切れない怪異そのもの。

対して『WEAPONS』は、後半になるとかなり具体的に、こいつをどうにかすればいいという相手が見えてくる。

そこが大きな違いだった。

グラディスは「魔女なんだ」と思った。でも実はそこまで単純でもない

その中心にいるのが、グラディス。

俺は観ながら、ああ、魔女系なんだ。

と思った。

木の枝。
髪。
儀式。

人間を操る。

かなり西洋の魔女・呪術っぽい。

日本の怪談って、何なのかよく分からない。
なぜそんな力があるのかも分からない。

分からないから怖い。
みたいなものも多い。

だから俺には、グラディスの存在はかなり、海外ホラーだな。
と感じた。

ただ、後から監督の話を読むと、グラディスは思っていたより曖昧だった。

クレッガーはエイミー・マディガンに、キャラクターの出自として2つの可能性を渡したという。

一つは、元々普通の人間だったが、命に関わる病気から生き延びるために呪術へ手を出した存在。

もう一つはそもそも人間ではなく、人間のふりをしている何か。

しかもクレッガー自身、グラディスの正体を一つの答えに固定していない。

どちらの出自で演じたかも、マディガン本人には聞かなかったという。

後者だと思って見ると、

あの派手な格好。
不自然な顔。
妙なテンション。

全部、「人間じゃない何かが、人間っぽくやってるけど微妙に間違えてる」ようにも見えてくる。

俺は単純に魔女だと思っていたけど、この曖昧さは結構好き。

最後に子どもたちが走るのが良かった

そしてラスト。

グラディスが操っていた子どもたち。

その力が、そのままグラディスへ向く。

子どもたちが一斉に走っていく。

映画の最初も、子どもたちが走っていた。

最初は、どこへ行くんだ。
だった。

最後は、そこだ。
になる。

俺はこの終わり方、かなり好きだった。

『WEAPONS』は「怖い映画」より「変なドラマ」として面白かった

見終わって最初に出てくる感想は、「めちゃくちゃ怖かった」ではない。

怖いところはある。
急に来る。

グラディスも普通に嫌。

でもそれ以上に、話が面白かった。
群像劇。

妙な笑い。

音楽。

そして少しずつ一つの事件へ近づいていく構成。

逆に、最後まで正体不明。

説明できない。

ただ嫌な恐怖だけ残して終わる。

そんなホラーを求めている人には、後半は少し具体的すぎるかもしれない。

俺には、このくらいドラマがある方が好きだった。

そしてこの監督が次に撮ったのが『バイオハザード』。

海外評価が高いのも、

少し分かる気がしてきた。

次は『バーバリアン』も改めて書いてみようと思う。

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