レコードに興味はある。
でも、いざ中古レコード屋に行くと何を買えばいいのか分からない。
こんなことあるよね。
私も最初にレコードを買おうとした時に実際に困った。
知らないアーティストのレコードが大量に並んでいるし、「初心者におすすめの名盤」みたいなものを調べてみても、そもそもその曲を知らない。
それなら別に、名盤ランキングから入らなくてもいいんじゃないかと。
自分が好きな映画で流れていた曲から探せばいいんじゃないかと。
映画の音楽なら、曲名を知らなくても「あのシーンで流れてたやつか」と思い出せることがある。
そこからアーティストを知って、中古レコード屋で1枚探してみる。
個人的には、この入り方がかなりおすすめ。
ちなみにレコード人気そのものも再び高まっていて、日本レコード協会によると2025年のアナログレコードは数量・金額ともに5年連続で前年を上回り、生産金額は37年ぶりに80億円を超えたらしい。
とはいえ、流行っているから始める必要もない。
映画を見ていて「あ、この曲いいな」と思った。
そのくらいの理由で十分だと思う。
ちなみに私は節約できる趣味として始めた。
お金なかったからね。
レコード初心者は「名盤」から入らなくてもいい
レコードを始めようとすると、ビートルズ、ピンク・フロイド、マイルス・デイヴィスみたいな歴史的名盤がよくおすすめされる。
もちろん名盤なんだろうけど、知らないものは知らない。
最初の1枚なら、
- 親が聴いていて知っている音楽
- 昔から好きなアーティスト
- 映画やドラマで印象に残った曲
このあたりから選ぶ方が入りやすい。
特におすすめしたいのが映画で流れていた曲。
音楽単体では曲名を覚えていなくても、映像と一緒なら意外と覚えている。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でマーティがギターを弾いていた曲。
『ジョーカー』の最後に流れていた曲。
『レザボア・ドッグス』でスーツ姿の男たちが歩いている時の曲。
こうやって探していくと、昔の洋楽をほとんど知らなくても候補がどんどん見つかる。
レコード趣味の入り口として映画はかなりいいんじゃないかと思ってる。
中古レコードなら意外と気軽に始められる
レコードというと、機材も盤も高そうなイメージがあるかもしれない。
まぁ実際高い機材もたくさんあるんだけど。
ただ、最初からそんなところに行く必要はない。
実際なかった。(DJプレイみたいなのがしたかったら別)
スピーカー内蔵型のプレイヤーもあるし。
ただ、プレーヤーによってはスピーカーを別途用意する必要があるので、購入前に確認してほしい。
レコード盤も中古レコード屋を見れば数百円から数千円程度で売られている盤もかなりある。
ただ、人気盤や希少盤、状態のいいものは当然高くなる。
要するに、最初からコレクターになろうとしなければいい。
私も最初から音質を追求したかったわけじゃない。
むしろラジオが聴きたかった。
だいぶ真面目にこのクマザキエイム 多機能 レコードプレーヤーでいいと思ってる。
レコードだけじゃなく、CDもカセットも中古漁れるようになるし。
こういうかっこ良くて安いのもあるんだけどね。
レコードプレーヤーを買ったら、次はいよいよレコードを探す。
そこで今回は、映画の中で流れた曲の中から「レコードで持っていたらいいな」と個人的に思う10曲を選んでみた。
比較的昔の洋楽を中心にしているので、中古屋をディグる時の候補にもしてほしい。
映画で流れた名曲。レコードで聴きたい洋楽10選
1. Can't Help Falling in Love / Elvis Presley
登場する映画:『ブレードランナー2049』
『ブレードランナー2049』で主人公Kが廃墟となったラスベガスを訪れる場面。
荒れ果てた未来の街に、エルヴィス・プレスリーの「Can't Help Falling in Love」が流れる。
これがめちゃくちゃいい。
近未来SFなのに流れているのは1960年代のラブソング。
未来的な映像と、とっくに過ぎ去った時代の音楽が同時に存在していて、『ブレードランナー2049』の寂しさにもよく合っている。
エルヴィスは中古レコード屋でも比較的見つけやすい。
ベスト盤もかなり多いので、「最初の1枚」として探しやすいアーティストだと思う。
2. That’s Life / Frank Sinatra
登場する映画:『ジョーカー』
『ジョーカー』とフランク・シナトラの相性は異常に良かった。
劇中で印象的に使われるのが「That's Life」。
曲名を直訳すると「それが人生さ」みたいな意味になるんだけど、人生が完全にぶっ壊れていくアーサーの物語に持ってくる。
明るいようで怖い。
『ジョーカー』を見たあとに聴くと曲の印象まで変わってしまう。
シナトラも中古ではベスト盤をかなり見かけるので探しやすい。
「洋楽の昔の歌手なんて全然分からん」という人でも、シナトラくらいから入ると結構楽しいと思う。
3. My Way / Frank Sinatra
登場する映画:『SING/シング』『BETTER MAN/ベター・マン』など
こちらもフランク・シナトラで知られる超有名曲。
映画ではオリジナル音源そのものではなく、作品ごとにカバーされることも多い。
『SING/シング』ではセス・マクファーレン、『BETTER MAN/ベター・マン』ではロビー・ウィリアムスらによるバージョンが使われている。
「自分のやり方で生きた」という人生そのものみたいな曲なので、映画のクライマックスと相性が良すぎる。
『BETTER MAN/ベター・マン』については以前このブログでも感想を書いた。
あの映画で使われる「My Way」は特に印象に残っている。
映画から昔の曲を知って、そこから元になったシナトラを聴いてみる。
こういう逆走ができるのも面白い。
4. Never, Never Gonna Give Ya Up / Barry White
登場する映画:『ベイビー・ドライバー』
映画と音楽の組み合わせを楽しむなら『ベイビー・ドライバー』も印象深かった。
ほぼ映画全体が音楽ありきで作られているような作品だったし。
その中でも後半、バディがベイビーを追い詰める場面で流れるBarry Whiteの「Never, Never Gonna Give Ya Up」が好きだ。
めちゃくちゃセクシーな曲なのに、画面ではとんでもなく物騒なことになっている。
このギャップがいい。
5. Saturday Night's Alright For Fighting / Elton John
登場する映画:『キングスマン:ゴールデン・サークル』
タイトルからして戦う気満々。
『キングスマン:ゴールデン・サークル』の終盤で使われるElton Johnの「Saturday Night's Alright for Fighting」。
しかも映画にはエルトン・ジョン本人まで出演していて、とにかく派手。
映画自体がめちゃくちゃなので、これくらい勢いのあるロックがちょうどいい。
エルトン・ジョンなら有名曲も多いし、中古屋でアルバムを見つけてから「あ、これも知ってる」となる可能性も高い。
1曲目当てでアルバムを買って、別の曲まで好きになる。
レコード買い始めるとアルバム全体聴いてみるって癖つくし。
6. Johnny B. Goode / Chuck Berry
登場する映画:『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
これは映画音楽としてめっちゃ有名。
1955年にタイムスリップしたマーティが、学校のダンスパーティーで「Johnny B. Goode」を演奏する。
途中まではみんなノリノリなのに、調子に乗ったマーティが未来のロックギターをやり始めて全員ドン引きする。
劇中では、演奏を聴いたミュージシャンが電話でチャック・ベリーに「探していた新しい音だ」と伝えるジョークまで入っている。
そしてこの曲、映画だけじゃなく人類史的にも妙にすごい。
NASAが1977年に打ち上げたボイジャー1号・2号には、地球の音や音楽を収録した「ゴールデンレコード」が積まれている。
その中に収録されたロックンロールが「Johnny B. Goode」。
宇宙人が最初に聴くロックがチャック・ベリーになる可能性がある。
そう考えると、家に1枚くらいあってもいい気がしてくる。
7. 20th Century Boy / T. Rex
登場する映画:『20世紀少年』
日本人なら曲名より先に作品名を思い浮かべる人も多いかもしれない。
浦沢直樹の漫画『20世紀少年』のタイトル自体がT. Rexの「20th Century Boy」に由来していて、実写映画版でもテーマ曲として使われている。
イントロを聴いた瞬間に「あーこれか」となるタイプの曲。
こういう曲こそレコード趣味の入口にちょうどいいと思う。
T. Rexを知らなくても『20世紀少年』なら知っている。
そこからT. Rexを聴いて、グラムロックを知って、さらにDavid Bowieあたりへ行く。
みたいな。これがディグる面白さだと思う。
原作も題名もこの曲からそのまんま持ってきていてイメージに合う。
8. Out of Time / The Rolling Stones
登場する映画:『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
タランティーノ映画はレコード趣味と相性が良い。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』で「Out of Time」が流れる場面が特に好きだ。
1960年代のハリウッドを再現した街を背景に流れるRolling Stones。
この時の雰囲気が本当にすごい。セットとは思えない。
そしてこの曲が合う。明るい曲調なのに悲しい。
この感じがいい。
タランティーノ作品は既存曲の選び方がやたら上手いので、昔の洋楽を知らない人は映画を一本見るだけでもかなり曲を発掘できる。
9. Raindrops Keep Fallin' On My Head / B. J. Thomas
登場する映画:『明日に向かって撃て』『スパイダーマン2』
これも映画で何度も使われてきた有名曲。
個人的には『スパイダーマン2』で使われる場面が一番好きだ。
ピーター・パーカーがスパイダーマンをやめて、普通の青年としての生活を満喫する。
その時に流れるのが「Raindrops Keep Fallin' on My Head」。
めちゃくちゃ平和。
ちなみに『スパイダーマン2』は「好きな映画を10本選べ」と言われたら絶対に入れるくらい好きな映画だ。
ヒーローをやめたピーターが幸せそうすぎて、「もうこのままでよくない?」と毎回思う。
曲自体も、どこかのんびりしていて幸せな気持ちになる。
休日の昼間にレコードで流したい。
大きな百貨店などでは外で雨が降っていることを伝えるBGMにもなっている。
10. Little Green Bag / George Baker Selection
登場する映画:『レザボア・ドッグス』
最後はやっぱりタランティーノ。
『レザボア・ドッグス』の冒頭。
黒いスーツを着た男たちがスローモーションで歩いていく。
そこで流れるのがGeorge Baker Selectionの「Little Green Bag」。
ただ歩いているだけなのに異常に格好いい。
『レザボア・ドッグス』に限らず、タランティーノ作品には60〜70年代の曲がかなり使われている。
だから昔の洋楽を掘りたいなら、とりあえずタランティーノ映画を見るというのもかなり有効だと思う。
ちなみに私は『レザボア・ドッグス』を面白いと言う人とは、多分映画の話が合う。
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最初の1枚は「知っている曲」が入っていればいい
レコードを始める時に、音楽に詳しい必要はないと思っている。
オリジナル盤がどうとか、プレスがどうとか、カートリッジがどうとか。
そういう話はハマってからでいい。
最初は中古屋でジャケットを眺めながら、「あ、この曲映画で聴いたな」という1枚を買えば十分だと思う。
サブスクなら曲名を検索して、その曲だけ聴いて終わる。
でもレコードを買うと、せっかくなのでA面からB面まで聴くことになる。
すると目当てだった1曲より、知らなかった別の曲の方が好きになることもある。
今は好きな曲だけを一瞬で呼び出せる時代だからこそ、アルバムを最初から最後まで聴くのも結構面白い。
映画から1曲見つける。
そのアーティストのレコードを1枚買う。
知らない曲を聴く。
そこからまた別のアーティストを知る。
レコード趣味なんて、そのくらい適当に始めるのがちょうどいい。
映画のエンドロールで「この曲いいな」と思ったら、次はShazamするだけじゃなく中古レコード屋で探してみてほしい。

