独り言コラム

『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』感想|トムホ版で一番MCUを感じて、一番印象が薄かった

zenzen

1994年北海道出身、福岡在住。美容師しながら映画・ゲーム・ガジェット・暮らしを実体験ベースで書いています。
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(画像はソニーコーポレートブログより)

映画『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』を観た。
まず前提として、私はスパイダーマンが好きだ。

ただし、MCUを全部追っているタイプではない。
アベンジャーズ作品を映画館で観たこともないし、ドラマまで全部履修しているわけでもない。

それでもスパイダーマンだけは、ライミ版からアメイジング、トム・ホランド版までずっと追ってきた。

だから今回も当然楽しみにしていた。
何よりも、前作の『ノー・ウェイ・ホーム』個人的には神作だった。

歴代スパイダーマンと出会い、その経験を経て、最後には世界中から「ピーター・パーカー」という存在そのものを忘れられる。
最高だったね。
特に私みたいな歴代スパイダーマンファンにとっては。

あそこまでやった以上、次の映画に求められていたことはかなり多かったと思う。

私が特に期待していたのは二つ。
ひとつは、歴代スパイダーマンとの出会いが、その後のピーターにどう残っているのか。
もうひとつは、学生でもアベンジャーズでもなくなったピーターを、どう一人の大人として描くのか。

で、実際どうだったのか。

最初視聴直後は5点満点で3.7くらいかなと思っていた。

アクションも良かったし、新しいスーツも好きだった。
パニッシャーとの共闘も面白かった。

でも、この記事を書くために思い返していて気付いた。

この前映画館で観たばかりなのに、びっくりするくらい内容を覚えていない。

なので今なら、2.7/5くらい。
つまらない映画ではない。

ただ、トム・ホランド版スパイダーマンの中では、今のところ一番下だと思っている。

『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』はどんな作品?

前作『ノー・ウェイ・ホーム』から4年。
世界中の人間からピーター・パーカーの存在を忘れられたピーターは、一人でニューヨークを守り続けている。

MJもネッドも、もうピーターのことを覚えていない。
学生でもなくなり、以前のようにアベンジャーズの庇護下にいるわけでもない。

いわば、「ただのピーター・パーカー」と「親愛なる隣人スパイダーマン」から再スタートする物語。

今回のピーターには、これまでとは違う身体の変化も起きる。
さらにパニッシャー、エレーナ、ハルクなど、MCU側のキャラクターも複数登場。

そのうえ複数の敵対勢力まで絡み、今後のMCUにつながりそうな要素もかなり多い。

良くも悪くも、「スパイダーマン新章第一作」であると同時に、「これからのMCUを動かす一本」

という映画だった。

ネタバレなし感想|全部ある。でも、全部ちょっとしかない

映画としては普通に観られる。
というか、スパイダーマンなのでアクションが始まればやっぱり楽しい。

トム・ホランドも完全にスパイダーマンとして馴染んでいるし、新しいスーツもかなり格好いい。

孤独になったピーターの空気も、これまでのトムホ版とは違っていて新鮮だった。

ただ今回、とにかく要素が多い。

ピーターの孤独。
MJとネッド。
身体の変化。
DODC。
パニッシャー。
エレーナ。
ハルク。
新しい敵。

そして今後のMCUへの布石。

一個一個は別に悪くない。
むしろ「これ面白そう」と思う要素は多かった。

問題は、全部を一本でやろうとしたことだ。

何かが始まって面白くなってきたと思ったら、次のキャラクターが出てくる。

また次の事件へ進む。
観終わった直後は「色々あったな」と思った。

でも時間が経つと、どれも強く残っていない。

今回の評価が最初の3.7から2.7まで下がった一番大きな理由は、たぶんこれだと思う。

そしてもうひとつ。

私は今回、世界中から忘れられたピーターが、一人のスパイダーマンとして再出発する映画を想像していた。

ところが実際には、トム・ホランド版の中で一番MCUを感じる作品だった。
ここはかなり好みが分かれると思う。

MCUをずっと追っている人なら、俺より楽しめるはずだ。

逆にスパイダーマンだけを追っている俺みたいな人間には、

「この人誰?」
「いつ知り合った?」

が結構ある。

話そのものは理解できる。
でも俺は気になる。

てか気にしろよ。

そんな映画だった。

『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』はどこで観られる?

2026年9月現在、『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』は劇場公開中。

現時点では、この記事に載せられるVOD配信先はまだない。

Prime VideoやU-NEXTなどでデジタル配信が始まった場合は、ここに最新の配信状況を追記する予定。

ここから先はストーリーについてかなり具体的に触れます。

未鑑賞の方は注意してください。


ここから『ブランド・ニュー・デイ』のネタバレあり感想

「孤独なピーター」は良かった。でも俺が思っていた孤独とは違った

ピーターの孤独そのものは、ちゃんと描かれていた。
MJとネッドは自分を覚えていない。
ピーターだけが、三人で過ごした時間を知っている。

あの『ノー・ウェイ・ホーム』のラストから4年間。

相当踏ん張ったんだろうなと思う。ただ、俺には今回の孤独がかなり、「MJとネッドに忘れられている寂しさ」へ集中しているように見えた。

例えばライミ版のピーターも孤独だった。
でもあいつの場合、人生そのものがしんどい。

バイトもうまくいかない。
恋愛もうまくいかない。
本職にしたいカメラマンとしても認められない。
せっかくデートへ行こうとしても、スパイダーマンとして事件へ向かわなければならない。
人を助ければ助けるほど、ピーター・パーカーの日常が削られていく。

だから応援したくなるし、ドラマになる。

今回のピーターは、友人関係以外の生活がそこまで見えてこない。

メイおばさんも失った。
アイアンマンもいない。

それでも、その喪失よりMJとネッドへの思いが強く描かれている。

もちろん前作から続く話としては正しい。

ただ、「孤独なヒーローになったからこそ、これぞスパイダーマンだ」とまでは俺はならなかった。

しかも、一人でヒーローをしているはずなのに周りにはマーベルキャラがめちゃくちゃいる。

ここが今回の妙なところだ。

MCUを追っていない俺には、さすがに説明不足だった

今回特に戸惑ったのが、ピーターと他のヒーローたちの距離感。

パニッシャーが出てくる。
エレーナもいる。
ハルクまで出てくる。

パニッシャーとのバディ感なんかはかなり好きだった。

二人の戦い方も性格も全然違うので、このコンビだけでも一本見たいくらいだ。

ただ、いつそんな仲になったんだよ。とは思う。

エレーナもかなり自然にピーターの情報屋みたいな立ち位置で登場する。

風呂にも入ってる。

俺からすると、「なんか知らん女と風呂入ってるである。

評判を見る限り、「別作品を知らなくても楽しめた」という人はかなり多い。

実際、ストーリーそのものは理解できる。
でも、関係性の途中を丸ごと飛ばしている感覚は残った。

俺はスパイダーマン映画を観に来ているので、「別作品で何かあったんだろうな」を想像しながら観るより、この一本の中で関係性を見せてほしかった。

メイおばさんがピーターとジーンをつないだのはかなり好き

とはいえ、今回ちゃんと好きだったところもある。
特に良かったのが、ピーターとジーン・グレイのつなぎ方。

今回のメインヴィラン?であるジーンは単純な悪人ではない。
DODCに捕らえられた姉を助けようとしている。

力を持っていることで利用され、孤独になってしまった人物でもある。

そしてピーターが彼女と向き合ったとき、二人をつなぐものとして出てきたのが、

メイおばさんだった。

ここは結構意外だった。
「そうつながるのか」と思った。

メイはもういない。

でも、ピーターの中にはメイから受け取ったものがちゃんと残っている。

ジーンが能力でその人自身(ピーター)を見る。

メイがピーターへ向けていたものが、今度はピーターを通してジーンへ届く。

『ノー・ウェイ・ホーム』でメイを失ったことを、単なる悲しい過去として終わらせず、今のピーターの行動原理につなげた。

今回の映画で、「前作からピーターが何を受け継いだのか」が一番綺麗に見えた場面だったと思う。

俺はもっとこういうのが見たかった。

歴代スパイダーマンとの出会いも、もっと今のピーターに残っていてほしかった

新しいスーツも好きだった。

どこかライミ版やアメイジング版のスパイダーマンを連想する意匠もあって、歴代スパイダーマンとの出会いを経た後のスーツとしてはかなりいい。

だからこそ、もっと先輩二人について触れてほしかった。
あの出会いって、ピーターの人生でも相当デカい出来事だったはずだ。

自分以外にもスパイダーマンが存在する。
二人とも大切な人を失っている。
それでもヒーローを続けている。

『ノー・ウェイ・ホーム』以降の孤独なピーターにとって、こんなに心強い存在はいない。

直接名前を出す必要はなくても、「あの二人との出会いが今のピーターを支えている」くらいの何かはもう少し見たかった。

アクションは相変わらず良い。でももっと街を飛び回ってくれ

アクションは今回も良かった。
やっぱりスパイダーマンは動いているだけで楽しい。

壁を使う。
天井を使う。
糸を使う。

パニッシャーとの共闘も良かった。

ただ、今回かなり敵が多い。

忍者。
ハルク。
ジーン。

その他にも色々いる。

その割に室内戦も多かった。
スパイダーマンですよ。
ニューヨークですよ。

もっとビルの間をビュンビュン飛んでくれ。

映画館でスパイダーマンを観るなら、もう少しあの縦横無尽なアクションを浴びたかった。

室内戦が悪いわけではない。

ただ、敵の数が多いだけに、逆にスパイダーマンらしい開放的なアクションがもっと欲しくなった。

ピーターの変化も、敵も、面白くなりそうなところで次へ行く

ピーター自身の身体に変化が起きる展開も、設定としては結構好きだった。
単純な弱体化ではなく、身体そのものが変化して次の段階へ進む。

ハルクと接点を持つ理由としても分かる。

ただ、体感としては、

体がおかしい。
どうしよう。
戦ってたら何とかなった。

くらいの速度だった。

ここも、一本の映画の中心にできそうなくらい大きな話なのに、かなり早い。

敵側も同じ。
ジーン。
DODC。
忍者集団。

その他の勢力。

色々出てくるので、結局、「今回のスパイダーマンの敵って誰だった?」と聞かれると結構困る。

ジーン自身は悪人ではないし、むしろ俺は好きだった。

とにかく可愛かったし。

DODCを人間側の対立軸として使ったのも良かった。

警察側にスパイダーマンの味方になる人物がいるなら、

ピーター、警察、DODC、ジーン。

この辺だけでもかなり面白い映画にできた気がする。

そこへさらに色々足した結果、一つ一つが薄くなってしまった印象がある。

ハルクは今回も可哀想

そしてハルク。
今回も操られて暴れる。

あいつまたニューヨーク市民からの評判下がっただろ。

かわいそう。

おそらくアベンジャーズに向けて、大きなハルクをもう一度出したかったんだろう。

そこは分かる。

でもハルクが出る。
戦う。
終わる。

ジーンも去っていく。

他のキャラクターもそれぞれどこかへ行く。

事件はいっぱい起きるのに、その後の余韻がほとんどない。

この「イベントは多いのに記憶に残らない」という感覚が、今回の映画全体にあった。

MJとネッドがいないと、トムホ版スパイダーマンの味も薄かった

MJとネッドの扱い自体は、今回くらいでいいと思う。
二人はピーターを覚えていない。
いきなり元通りにしたら、『ノー・ウェイ・ホーム』のラストが軽くなる。

だから少しずつ接点を戻していく。
ここは納得できる。

そしてラスト付近。

ネッドの記憶が戻りそうな描写。

あそこはかなり良かった。

普通に早く三人に戻ってほしい。

今回改めて感じたのは、

トムホ版スパイダーマンって、ピーター、MJ、ネッドの三人組まで含めて「トムホ版」だったんだな

ということ。

孤独なピーターを見たいと思っていた。
でもトム・ホランドとMCUゲストだけになると、俺が慣れ親しんだトムホ版スパイダーマンの味もかなり薄くなる。

だから、「もっと孤独を描いてほしい」と言いながら、「早くMJとネッド戻ってきてくれ」とも思っている。

我ながら面倒くさい。

でも、この三人にしかない魅力があったんだと思う。

一番テンションが上がったのはポストクレジットだった

そして、正直一番テンションが上がったのはポストクレジットだった。

他のユニバースからスパイダーマンが来たとも取れる描写。

あれ。

俺はアベンジャーズを映画館で一度も観たことがない。

でも、歴代スパイダーマンがまた出るなら観に行くよ。
結局そこなんだよな。

俺にとってはMCU全体より、スパイダーマンというシリーズの方が重要なんだと思う。

だから今回、次のアベンジャーズにつながりそうな要素より、

「またスパイダーマン同士が交わるかもしれない」

という数秒の方が圧倒的にワクワクした。

要素は多い。でも、驚くほど印象に残らなかった

アクションは良かった。
新スーツも良かった。
パニッシャーとのコンビも好きだった。

でも、この記事を書くために思い返してみると、この前観たばかりなのに、かなり忘れている。
そこは無視できなかった。

一つ一つの材料が悪いわけではない。
むしろ面白そうな材料ばかりだった。
ただ、それを一度に使いすぎた。

『ノー・ウェイ・ホーム』で全部を失ったピーター。

学生でもなくなった。
アベンジャーズの庇護もない。

ここからようやく、一人の「親愛なる隣人スパイダーマン」の映画が始まる。

俺はそれを期待していた。

でも実際には、トム・ホランド版で一番MCUの中にいるスパイダーマンだった。
MCUのキャラクターなんだから、しょうがない。
本当に、それに尽きる。

ただ俺が観たかったのは、次のアベンジャーズへ向かう途中のピーター・パーカーではない。

『ノー・ウェイ・ホーム』ですべてを失った男が、この4年間をどうやって生きてきたのか。

そして、どうやってもう一度スパイダーマンとして立ち上がるのか。
その一本の映画を、もう少しじっくり観たかった。

だから評価は2.7。

トム・ホランド版では、今のところ一番下。

でもスパイダーマンはまだ好きだ。

次に歴代スパイダーマンがまた交わるなら、俺はたぶん普通に映画館へ行く。

結局、俺が観たいのはMCUじゃなくて、

スパイダーマンなんだと思う。

『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』の配信を観る

『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』がPrime Video・U-NEXTなどで配信開始された場合は、ここに最新の視聴方法を追記します。

※配信状況は確認でき次第更新予定。

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