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美容師が『ビューティフルライフ』を今さら見た感想|意外とリアル。でもシザーは自分で研ぐな

zenzen

1994年北海道出身、福岡在住。美容師しながら映画・ゲーム・ガジェット・暮らしを実体験ベースで書いています。
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(画像はNetflix配信ページより)

『ビューティフルライフ』というドラマを知っているだろうか。
2000年にTBS系列で放送された、木村拓哉演じる美容師・沖島柊二と、常盤貴子演じる図書館司書・町田杏子の恋愛ドラマだ。

めちゃくちゃ有名なドラマなので、「何を今さら」と思う人もいるかもしれない。

でも美容師の俺は、今まで見たことがなかった。

1994年生まれなので放送当時はまだ子どもだったし、美容師になってから先輩に話を聞くことはあっても世代ではない。

わざわざDVDを借りてまで見ようとも思わなかった。
それが配信で簡単に見られるようになったので、ようやく見た。

つまり俺は、

『ビューティフルライフ』を見て美容師に憧れた世代ではなく、美容師を約8年やったあとに初めて『ビューティフルライフ』を見た人間

ということになる。

だから恋愛ドラマを見ているはずなのに、

「この美容師はリアルなのか?」
「2000年の美容室って本当にこんな感じだったのか?」
「そのシザーの使い方は大丈夫なのか?」

そんなことばかり気になった。

そして全部見終わって思った。

意外とちゃんとしてる。

25年以上前のドラマなのに、

「あー、いるいる」
「これ今でもやるわ」

と思うところが結構ある。

もちろん、「いや、それは絶対ないだろ」もある。

特にシザーを自分で研ぐシーン。
お前はダメだ。

『ビューティフルライフ』ってどんなドラマ?

主人公は、有名美容室で働く美容師・沖島柊二。

腕はある。
雑誌の仕事やヘアショーも任される。

ただ愛想がよくなく、店ではそこまで人気のある美容師ではない。

そんな柊二が出会うのが、難病を抱え車椅子で生活する図書館司書・町田杏子。

最初はぶつかり合う二人が、少しずつ惹かれていく恋愛ドラマだ。

平均視聴率32.3%、最終回41.3%を記録した、とんでもないヒット作でもある。最終回41.3%はビデオリサーチの歴代ドラマ高視聴率記録にも残っている。

今の感覚で見ると、視聴率41%って何?

という感じである。

テレビ見すぎだろ。

ネタバレなしで言うと、美容師じゃなくても普通に面白かった

今回、美容師目線の記事なのでこのあと美容室の細かいところばかり突っ込む。

でも先に言っておくと、普通に恋愛ドラマとして面白かった。

俺なら10点満点で7点くらい。

25年以上前のドラマなので、ファッションも美容室も当然古い。

それでも人物同士の掛け合いは普通に見られるし、木村拓哉演じる柊二も今見てもちゃんとかっこいい。

というか、

当時28歳くらいのキムタクが美容師やってる。

そりゃ流行るよな。

痺れる。

ただ美容師の俺として一番面白かったのは、ストーリーよりむしろ、

「2000年の美容室ってこうだったんだ」

という部分だった。

今と全然違うところもあれば、

「25年以上経っても何も変わってねえな」

と思うところもある。

ここから先は具体的なシーンや登場人物について触れていく。

まだ見ていない人は、先にドラマを見てから読むのもおすすめ。

配信状況(2026年9月16日確認)

Prime Video:○ 見放題
U-NEXT:○ 見放題
Hulu:○ 見放題
TELASA:○ 配信中
Netflix:― 現在日本では視聴不可

Prime Videoで『ビューティフルライフ』を見る

※配信状況は変更される場合があります。


『ビューティフルライフ』で美容師は増えたのか

美容業界では昔から、
「『ビューティフルライフ』を見て美容師を目指した人が増えた」
という話をよく聞く。

実際、このドラマは美容業界や当時のカリスマ美容師ブームに大きな影響を与えた作品として今でも語られている。
ドラマの技術指導に関わった美容師・川畑タケルさんを振り返る企画でも、『ビューティフルライフ』が美容業界を大きく変えた作品として扱われている。

もちろん、「美容師が増えたのは全部キムタクのおかげ」なんて単純な話ではない。

でも、実際にこのドラマを見て美容師になった人はいる。
俺の先輩にもいた。

『ビューティフルライフ』を見て美容師に憧れて、服装までキムタクを真似していた。

パタゴニアのゴアジャケット着て、ゴーグルつけてバイクで出社。
本当にいるんだ……と思った。

ちなみに俺はそいつが嫌いだった。
すぐ暴力振ってたからね。

しょうがないね。
ドラマに罪はない。

美容師から見ると、柊二は意外とリアル

俺の場合、『ビューティフルライフ』を見て美容師になった人とは順番が逆だ。

ドラマを知らずに美容師になって、約8年現場に立ってから柊二を見ている。

当然、「こんな美容師いるか?」という目線になる。

結論からいうと、誇張されている部分はある。
でも柊二みたいな美容師は普通にいると思う。

「こっちの方が似合う」と言い切る美容師はいる

柊二はお客さんへの提案がかなり強い。

本人の希望を全部そのまま聞くというより、「こっちの方が似合う」と自分の提案を押し出すタイプだ。

でも、これは別に珍しくない。

「どっちにします?」と全部お客さんへ委ねるのではなく、
「いや、あなたなら絶対こっちです」
と言う美容師は普通にいる。

もちろん誰が言っても成立するわけじゃない。

でも柊二は雑誌のページを任され、ヘアショーまで任される美容師だ。

そこまで実績のある美容師から、「あなたはこっちが似合う」と言われたら、それ自体が半ば成立してしまう。

むしろ心強いくらいだ。

まぁ、人気がない理由も分かるけど。

作中で言われるほど無愛想でもない

柊二は無愛想な美容師として扱われる。

でも美容師として見ていると、言うほど無愛想か?とも思った。

確かにラフだし、接客中に感情が出すぎているところはある。

ただ、それ以外は全然あり得る範囲。

むしろ雑誌の仕事をして、ショーを任され、技術に自信があって、後輩にもちゃんと背中を見せている。

そりゃかっこいい。

当時の若者が憧れたのも分かる。

美容室の細かい描写が意外とリアル

このドラマを見ていて面白かったのが、派手なカットシーンより細かい美容室描写だった。

シャンプー台で自分の髪を濡らす

朝、出勤してきた柊二がダルそうにシャンプー台で自分の髪を濡らす。
これ、美容室で働いたことがある人なら見たことあるんじゃないだろうか。

普通にやる。

こういうところを見ると、「ちゃんと美容室を見て作ってるんだな」と思える。

ただ、接客中お客様との顔近くね?とは思う。

まあキムタクならいいか。

ティッシュでシザーの切れ味を見る

シザーでティッシュを切って切れ味を確認するシーンもある。

これも分かる。

シザーは美容師にとってかなり大事な仕事道具なので、切れ味は当然気になる。

「お、ちゃんとしてるじゃん」と思った。

……ところが。

柊二、自分でシザーを研ぐ

その直後。

柊二が自分のシザーを研ぎ始める。

包丁みたいにシャッシャッと。

いやいやいや。
それはない。

美容師のシザーってかなり繊細な道具だ。
仕事用なら数万円するのは普通だし、高いものならもっとする。

切れ味が悪くなったら、基本的にはシザーの研ぎを専門にしている業者へ出す。

それを、「最近切れ味悪いな」くらいのテンションで包丁みたいに研ぐ。

ティッシュで切れ味を見るところまでは、「分かる分かる」だったのに。

その直後これ。

ここだけは美容師として「ありえない」と心で突っ込んでしまった。

2000年の「おしゃれな美容室」が面白い

店そのものもかなり面白い。

今のおしゃれな美容室って、白っぽい壁にコンクリート、ステンレス、無機質な椅子や鏡みたいな内装がかなり多い。

『ビューティフルライフ』は全然違う。
もっと曲線的というか、
2000年当時に想像した「未来のおしゃれ」

みたいな空間になっている。

今見ると逆に新鮮。

ただし。

スタッフルーム広すぎ

あれはない。

羨ましい。

現実の美容師は、ドラマの100分の1くらいのスペースで飯食ってる。

スタッフ二人入ったら、「ちょっとごめん」って言いながらおにぎり食ってる。

あんな広大なバックルームを美容室に作れるなら、

客席増やすわ。

技術を見ると「昔の美容師」を感じる

当然だけど、カットや練習の描写には時代を感じる。

これも面白かった。

とにかくストロークカット

めちゃくちゃストロークカットする。

この時代を通ってきた美容師さんって、ストロークカット好きなイメージがある。

セニングシザー、いわゆるスキばさみをあまり使わない。

俺が美容師になった頃には普通にセニングも使っていたので、

「この辺は時代だな」と思った。

美容師個人がスタイルブックなどで「自分のスタイル」を提唱する描写もある。

東京でバチバチにやってる美容師なら今でもあるんだろうけど、この時代は特に、

デザイン=カットデザインという感じが強い。

今なら「デザイン」と言った時、カラーの占める割合もかなり大きいと思う。

昔のウィッグ、毛量多すぎ

もう一つ面白かったのが練習用ウィッグ。

俺が美容師になってウィッグで練習していた頃、先輩からよく、

「今のウィッグ、髪薄くない? これじゃ練習にならんで」

と言われていた。

昔を知らない俺は、「そ、そうすかね……」くらいに思っていた。

でも『ビューティフルライフ』を見て分かった。

確かに多い。
毛量すごい。
セット練習用のウィッグくらいある。

そりゃ練習になるわ。

先輩の言ってたこと、本当だったんだな。

エセキムタク先輩は嫌いだったけど。

25年以上経っても変わらない「レッスン文化」

そして美容師として一番印象に残ったのがレッスン。

これは古いどころか、今見ても分かる。

柊二が後輩の岡部のレッスンを見ている時、岡部が言う。

「俺、レッスン見てくださいって頼みましたっけ」

完全に後輩側が悪いシーンなので、

「こいつ〜」となる。
俺が言われたら泣いちゃうね。

美容師のレッスンって、営業が終わってからやることが多い。

後輩が練習する。
先輩がそれを見る。

でも先輩からすれば、本来ならもう帰れる時間なんだよ。

それでも残って後輩のカットやカラーを見て、

「ここ違うよ」
「もう一回やってみ」

と教える。

今になって考えると、めちゃくちゃ優しい。

俺も先輩にやってもらったし、自分が先輩になってからは後輩にやっていた。

『ビューティフルライフ』は2000年のドラマだ。

つまり俺が美容師になるずっと前から同じことをやっている。

だからこそ、「レッスン見てくださいって頼みましたっけ」が響く。

お前……。

先輩、帰れるのに残ってんだぞ。

ただ、岡部はずっと嫌なやつではない。

恋愛ドラマとして見ても普通に面白い

ここまで美容師の話しかしてないけど、ちゃんとドラマの話もする。

個人的には10点満点なら7点くらい。

美容師じゃなくても普通におすすめできる。

常盤貴子演じる杏子は、ちょっと癇癪持ちだと思う。

結構怒る。

「また怒ってんな」と思う場面もある。

一方で、的場浩司と水野美紀がめちゃくちゃいい。

どっちもいいやつ。

特に水野美紀。

だいたい水野美紀のおかげで上手くいってるドラマだと思う。

マユミはろくなやつじゃない

原千晶演じるマユミという美容師もいる。

こいつがなかなかろくなやつじゃない。

元カレである柊二が同じサロンにいるのに、店長との関係もなかなかエグい。

俺にはほぼ枕営業に見えた。

ドン引き。

一応、美容師目線で言っておく。
そんな女性美容師見たことないわ。

まあ、美容師以前の問題である。

「ちょ、待てよ」はちゃんとある

まだ見たことがない人には一つ安心してほしい。

ちゃんと、キムタクの「ちょ、待てよ」は1話から見られる。

この時代のキムタクドラマだもんね。

俺もめっちゃ期待して見てた。

みんなも探してみてほしい。

ここからは終盤のネタバレあり

本当にしょうもない話なんだけど、ずっと気になっていることがある。

杏子が入院中にもかかわらず、柊二の家に遊びに来るシーン。

柊二が、

「どうしたんだよ」

みたいに聞くと、

杏子が、

「ゾウさんに餌をあげにきた」

と訳の分からないことを言う。

どういうこと……?

と思っていたら、そのあとすぐ、

「抱いて」

と言う。

……。

これってそういう意味なんでしょうか?

誰か教えてください。

美容師になってから見る『ビューティフルライフ』は面白かった

『ビューティフルライフ』に憧れて美容師になった人は実際にいる。

でも俺は逆だった。

ドラマを知らないまま美容師になって、約8年現場に立って、それから初めて見た。

だからこそ、

「これは今もある」
「これはさすがにない」
「昔の美容師ってこうだったのか」

と、普通に見るのとは違う楽しみ方ができた。

25年以上前のドラマだから、美容室の内装も技術もファッションも当然違う。

それでも、

強い提案をする美容師がいたり、
先輩が後輩のレッスンを見たり、
実績のある美容師の背中に後輩が憧れたり。

意外と変わっていない。

そして何より、

柊二は今見ても普通にかっこいい。

雑誌のページを任されて、ショーを任されて、技術があって、自分の提案に自信がある。

そりゃ当時の若者が、

「美容師ってかっこいいな」

と思ったのも分かる。

今はメインでは別の仕事をしているけど、見ていると、

やっぱ美容師もいいよなぁ。

と思う。

美容師ブームを作ったのが、本当にこのドラマ一本だったのかは分からない。

でも俺は実際に、このドラマを見て美容師になった先輩を知っている。

少なくとも、誰かの人生を変えたドラマだったのは確かなんだと思う。

思いつく1名のことは嫌いだったけど。

配信状況(2026年9月16日確認)

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※配信状況は変更される場合があります。


今はメインでは別の仕事をしているけど、やっぱ美容師もいいよなぁと思える。

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