『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』をきっかけに、初めてガンダムに興味を持った人も結構いるらしい。
でもガンダムって、興味を持った瞬間に一つ問題が出てくる。
何から見ればいいんだ。
1979年から続いている。
作品数はとんでもなく多い。
宇宙世紀とかアナザーとか言い始める。
シャアは知っているけど、何をした人なのかよく分からない。
「ファーストから全部見なきゃダメなの?」となる気持ちはめちゃくちゃ分かる。
私自身、ファースト世代でも何でもない。
ちゃんとガンダムを知るきっかけになったのもアニメではなく、PS2のゲーム『機動戦士ガンダム 一年戦争』だった。
だから今回は、ガンダム初心者に言いたい。
別に全部見なくていい。
ゲームから入ったっていい。
SDガンダムから入ったっていい。
ガンプラから入ったっていい。
ジークアクスから入ったっていいじゃないか。
私もガンダムはゲームから入った
私がガンダムをちゃんと知ったきっかけは、PS2の『一年戦争』だった。
ゲームを進めながら、アムロ・レイという少年がいて、シャアという赤い人がいて、連邦軍とジオン軍が戦争していて、
ホワイトベースという船で逃げながら戦っている。
みたいな流れを知っていった。
ゲームなので自分で戦う。
そのままストーリーも追体験できる。
当時の私にはアニメ43話を見るよりよっぽど入りやすかった。
そこから、「シャアって結局何者なんだ」「このあとアムロどうなるんだ」となって、アニメや映画の方にも興味が出てきた。
だから今でも、ファーストガンダムは、ストーリーモードがしっかりしたゲーム一本やれば大体分かるんじゃないかくらいには思っている。
最近そういうゲームが少ないけど。
もちろんアニメを全部見れば細かい人間関係も分かる。
でも初心者にいきなり、「まず1979年の全43話を見てください」と言う必要はないと思う。
大前提として、昔アムロとシャアが連邦とジオンに分かれて戦っていた。くらい分かっていれば、そこから気になったものを追えばいい。
ガンダムには昔からいろんな入口があった
これ、ジークアクスだけの話でもない。
美容師をしていた頃、私より12歳くらい上の先輩にガンダムの話をしたことがある。
すると、
「なんかよう知らんけど、俺らの時代はSDガンダムやったで」
と言われた。
これが結構面白かった。
その人はファーストガンダムを毎週見ていたわけでもない。
リアル頭身のガンダムより、2〜3頭身になったSDガンダムの方に馴染みがある。
カードだったり、おもちゃだったり、ゲームだったり。
つまり同じ「ガンダム好き」でも、入口が全然違う。
私の世代ならゲームから入った人も多い。
ガンダムSEEDから見始めた人もいる。
『水星の魔女』から見た人もいる。
ガンプラを作っていたらアニメが気になった人もいるだろう。
そう考えると、「正しいガンダムの入り方」なんて元から存在しない。昔から入口が多すぎるコンテンツだったんだと思う。
ジークアクスは実際に「新しい入口」になった
そして2025年の『ジークアクス』。
これについては単なる私の印象だけではなく、バンダイナムコ自身も新規ファン獲得を意識した作品だったと振り返っている。
同社の統合レポートでは、長い歴史ゆえに「どこから触れればいいか分からない」という新規ファンの声があることを認めた上で、『水星の魔女』などと同じように、ジークアクスでも若い人たちへ宇宙世紀の物語を届けることを狙ったと説明している。
つまり、「初心者にはガンダム難しいよね」という問題、公式側も普通に分かっていたらしい。
しかも面白いのが、ジークアクスでは古参ファンの盛り上がりが新規層の関心まで引っ張ったとバンダイナムコが分析していること。
SNSで、
「あれは○○じゃないか」
「ファーストとここが違う」
「この世界ではあいつがこうなってる」
と古参が延々考察する。
初心者側は、何か知らんけどめちゃくちゃ盛り上がってるな。となる。
その結果、気になって見始める。
かなり現代的なガンダムの広がり方だと思う。
「庵野秀明のガンダム」ではない。でもカラー色は強い
ジークアクスの監督は鶴巻和哉。
制作はスタジオカラーとサンライズで、シリーズ構成は榎戸洋司。庵野秀明は脚本や画コンテなどで参加している。
なので「庵野監督のガンダム」というわけではない。
とはいえ、エヴァンゲリオンに関わってきたスタジオカラーのスタッフとサンライズが組んでいる時点で、
いつものガンダムと何か違うぞという話題性があったのは間違いない。
キャラクターデザインも雰囲気もかなり違う。
そこにファーストガンダムを知っている人なら反応する要素が大量に出てくる。
私たちの知るガンダムが赤く染まって、また別の機体として出てくるのも嬉しい。
初めて見る人には新しいガンダム。
昔から見ている人には、「おい、それをそう使うのか」となるガンダム。
(ドムとかね)
この二重構造がかなり上手かったと思う。
ただ、ファーストを知っている方が面白いのも事実
じゃあ初心者は本当に何も知らなくていいのか。と言われると、さすがにそこまでは言わない。
ジークアクスはファーストガンダムを知っていると明らかに楽しめる部分が増える。
シャアを知っている。
ザクを知っている。
一年戦争がどう終わったか知っている。
それだけで、「あれ?」となる場面がかなりある。
でもだからといって、ファースト→Z→ZZ→逆襲のシャア→UC……と全部履修してからジークアクスを見る必要はない。
それをやり始めると、いつまで経っても新作に辿り着かない。
先にジークアクスを見る。
気になったキャラクターや設定が出てきたら昔の作品を見る。
私はそれでいいと思う。
むしろ、あとから元ネタを知って「これだったのか」となるのも普通に面白い。
福岡に住んで、ガンダムがさらに身近になった
福岡に移住してから、ガンダムをかなり身近に感じるようになった。
ららぽーと福岡には実物大のRX-93ff νガンダムが立っている。

でかい。とにかくでかい。
施設内には「GUNDAM SIDE-F」もあって、RX-93ff νガンダム関連の商品や展示もある。
正確には私が旧記事で書いていた「福岡のガンダムベース」ではなく、ガンダムパーク福岡内のGUNDAM SIDE-Fだ。
私は何度見ても、νガンダムが普通に商業施設の前に立っているの、意味分からんと思う。
外国人観光客もかなり多くて、写真を撮っている人も多い。
アニメを一本も見たことがなくても、あれだけ巨大なロボットが立っていたら気にはなる。
こういうのもガンダムへの入口なんだと思う。
そして福岡版のνガンダムは、通常のνガンダムとはデザインが少し違う。
(私はアニメ版のが見たかったが)
でもガンダムって、もうアニメだけのコンテンツじゃない。
プラモデルもある。
ゲームもある。
展示もある。
実物大立像まである。
そりゃ入口もバラバラになる。
そして福岡にガンダムベースが多いからといって福岡の若者がガンダムを好きかと言われるとそうでもない。
ガンダム初心者ほど「全部知ろう」としなくていい
ガンダムを調べ始めると、すぐに面倒なことになる。
特に新作『ジークアクス』や『ハサウェイ』の話になると、「ファーストから宇宙世紀シリーズを全部見なきゃついていけないの?」って思う人が多い。正直、気持ちはめちゃくちゃ分かる。
宇宙世紀。
アナザー。
パラレル的な作品。
小説版。
ゲーム独自設定。
同じキャラクターでも作品によって描かれ方が違う。
昔の私は、「ちゃんと時系列を理解した方が面白いんだろうな」と思っていた。
今は、あんまり気にしなくていいんじゃないかと思っている。
そもそも50年近く続いたシリーズを、一人の初心者が全部把握してから楽しもうとすること自体に無理がある。
映画を見るために映画史を全部勉強する人はいない。
ゲームを始める前にシリーズ全作クリアする必要もない。
ガンダムも同じでいい
全部見なくてもいい。でも知るほど面白くなる
ガンダムの面白いところって、
知らなくても見られるけど、知っていると後から面白さが増えることだと思う。
私自身、ゲームから入った。
先輩はSDガンダムから入った。
今ならジークアクスから入る人もいる。
バンダイナムコ自身も、長く続いたシリーズだからこそ新規ファンが「どこから入ればいいか分からない」問題を認識して、新しい作品から入れるようにしている。
だったら初心者側も、「全部理解してから見よう」なんて思わなくていい。
ジークアクスが気になったならジークアクスを見る。
シャアが気になったらファーストを見る。
νガンダムが格好いいと思ったら『逆襲のシャア』を見る。
ガンプラから入ってもいい。
ゲームから入ってもいい。
福岡のでかいガンダムを見て、「何これ」から始まってもいい。
長く続いているコンテンツだから難しく見えるだけで、入口自体は昔からかなり適当だったんだと思う。
私なんてPS2のゲームだった。
ジークアクスから入ったっていいじゃないか。
